飲食店に求められるものは味だけではありません。レジで混まないスピーディーな会計、小銭のいらない利便性など、新時代の顧客満足を探るために「電子マネー」を学んでみたいと思います。
第3回でご説明したような非接触の電子マネーやクレジット決済は、コンビニエンスストアやスーパーでの利用が先行している印象を受けるかもしれません。しかし、外食産業でも導入が始まっています。
<導入済み / 導入予定の主な飲食店チェーン>
飲食店名 | 非接触決済サービスの種類 |
コロワイド | Edy, iD |
サンデーサン | Edy, QUICPay |
ジョナサン | Suica |
ゼンショク | Smartplus |
タスコシステム | Smartplus |
ビッグボーイジャパン | Smartplus |
ロイヤルホスト | Edy, Suica, QUICPay |
※出所:各社発表資料、報道による
全体から見れば、非接触決済サービスの利用率はまだそれほど高くはありませんが、おサイフケータイのさらなる普及や日本郵政公社が発行する IC チップを搭載した新しい郵貯カードへの Edy や Suica の採用により、非接触決済サービスに対応したツール(カード、携帯電話)を持つ人が飛躍的に増えると予想されます。また、一台の端末で複数の決済サービスに対応した共用端末が普及すれば、店舗側での導入もますます加速していくものと思われます。
ところで、外食産業における非接触決済サービス導入にはどんなメリットがあるでしょうか?
【外食産業におけるメリット】
● 顧客側
● 店舗側
一方で、導入には以下の検討も必要です。
【導入に際して検討すべき課題】
(※)は、各社のサービスにより異なります。
初期導入コストや、決済手数料などは避けることができませんが、いくつかの課題は第3回で述べた共用端末の導入によって解決されるでしょう。
【ポイントサービスを活用した集客術】
外食産業において、高い集客効果や客単価の増加をターゲットとする場合、決済手段の提供だけでなく、ポイントなどの付加価値サービスを組み合わせ、顧客の利便性をさらに高めることが重要となります。
ソニーでは、複数のポイントサービスやクーポン、会員証などの機能を1枚のカードや1台のおサイフケータイに入れることのでき、店舗集客に役立つツールを 簡単でリーズナブルに実現するアプリケーションシステム 「FeliCa ポケット」を提供しています。
このサービスを受ける顧客は、 FeliCa ポケット対応のカードや携帯電話をかざすだけでポイントカードや クーポン、会員証、チケットを登録できるとともに、複数店舗のサービスを一枚のカードや一台の携帯電話に集約して使うこともできます。
また、店舗側の端末設定も非常に簡単です。専用カードをかざすだけで終了するので、機械の操作が苦手な方でもすぐにサービスを始めることができます。
FeliCaポケットを使えばお店独自のポイントサービスをお客様の持っているおサイフケータイに入れることもできますので、顧客リテンションを高めることも期待できます。
今後もさまざまな場所で電子マネーやポイントサービスの導入が加速すると思われますが、外食産業においても非接触の電子決済化の動向が注目されています。
ソニー株式会社 コアコンポーネント事業グループ FeliCaビジネスセンター
http://www.sony.co.jp/Products/felica/
ソニーの取り組みとFeliCaの利用拡大
1988 宅配便の物流用タグとして開発をスタート
1989 鉄道総合技術研究所と一年間の電車乗車券共同研究
1997 香港オクトパスカードサービス開始
2001 ビットワレット電子マネーEdy 本格稼動
2001 JR東日本 Suica開始
2003 JR西日本ICOCA開始
2004 NTTドコモ おサイフケータイ発売
2005 KDDI, ボーダフォン おサイフケータイ発売
2005 FeliCaチップの出荷が累計1億個を突破
2006 郵便貯金カードにFeliCa採用