飲食店に求められるものは味だけではありません。レジで混まないスピーディーな会計、小銭のいらない利便性など、新時代の顧客満足を探るために「電子マネー」を学んでみたいと思います。
カードとして誕生したFeliCaですが、ICチップとアンテナを備えていれば、形状は制限されません。そのような非接触方式の特長を活かし、携帯電話への搭載が始まりました。
2004年夏、NTTドコモからFeliCa対応の携帯電話「おサイフケータイ」が発売されたのを皮切りに、auやボーダフォン(2006年10月よりソフトバンクモバイル)からも発売が開始され、2006年8月には累計で1,800万台(フェリカネットワークス(株)調べ)が出荷されています。これに伴い、対応するサービスや利用できる場所も急速に拡大しています。
おサイフケータイとは、その名の通りお財布に入っている現金(価値)やカードの機能を携帯電話に入れて持ち歩くことができるサービスです。お札や小銭はもちろん、ポイントカードやチケット、会員証などあらゆる機能を携帯電話で利用することが可能です。
【おサイフケータイのメリット】
● 利用者側
なお、各携帯電話事業者では携帯電話の IC カード機能を制限したり、紛失した際に遠隔操作で FeliCa の機能を停止したりするなどの、不正使用防止対策にも取り組んでいます。
● 店舗側
前述のようなメリットから、ユーザー、利用店舗ともに増加傾向にあり、FeliCa を用いた決済手段も Edy 、Suica などのプリペイドサービスのほか、ポストペイと呼ばれるものが登場してきました。
第3回では、多様化する決済手段と読み取り機の共用化についてご紹介いたします。
ソニー株式会社 コアコンポーネント事業グループ FeliCaビジネスセンター
http://www.sony.co.jp/Products/felica/
ソニーの取り組みとFeliCaの利用拡大
1988 宅配便の物流用タグとして開発をスタート
1989 鉄道総合技術研究所と一年間の電車乗車券共同研究
1997 香港オクトパスカードサービス開始
2001 ビットワレット電子マネーEdy 本格稼動
2001 JR東日本 Suica開始
2003 JR西日本ICOCA開始
2004 NTTドコモ おサイフケータイ発売
2005 KDDI, ボーダフォン おサイフケータイ発売
2005 FeliCaチップの出荷が累計1億個を突破
2006 郵便貯金カードにFeliCa採用