2周年記念座談会“ よみがえれ!外食産業 2008 ” ~外食ドットビズが外食産業に果すべき役割とは~

2周年記念座談会 よみがえれ!外食産業 2008 外食ドットビズが外食産業に果すべき役割とは

外食ドットビズは、2006年にサイトオープンして以来、4月16日に2周年を迎えることができました。その記念と致しまして、いつもの特集とは趣向を変えて、サイトメンバーによる座談会をお伝えしたいと思います。設立時からのテーマである“よみがえれ!外食産業”の一環として、外食ドットビズがこの業界に果すべき役割について、突き詰めていきたいと思います。

第3回 外食ドットビズスタッフの外食業界物語(2)

第3回 外食ドットビズスタッフの外食業界物語(2)

【斎藤】 フリーな立場のスタッフとして参加してもらっている貝田さんと豊崎さんには、外食業界との関わりに加え、このサイトの仕事をする上での問題点なども忌憚無く述べていただきたいと思います。

2周年記念座談会 よみがえれ外食産業2008 外食ドットビズが外食産業に果すべき役割とは【貝田】 外食業界との関わりとしては、学生時代の飲食店2店でのアルバイト経験です。最初が某ネズミのテーマパーク内にあるレストラン、その次は新宿にある某チェーン系列の和食居酒屋です。バイトが働く環境としては、最上位から底辺に移った感がありました。

【斎藤】 どういう体験があったのですか?

【貝田】 品質管理の差が大きかったですね。テーマパークでは、残ったものはもちろん、茹でてから一定時間が経過したパスタはすべて廃棄していました。当然、つまみ食いなんて持ってのほか。社員に見つからなければ良いのでしょうが、誰もやらなかったですね。対して、居酒屋の方は残り物はまかないで皆で食べるし、仕事の後に店内で皆で飲むという習慣もあった。酔っぱらった料理長と店長が掴み合いの喧嘩をしたこともありましたね。それに、厨房でふざけていたら、鍋用のダシ汁が入った寸胴にサンダルが落下するという事件があったのですが、軽く火を通してそのまま出しましたね。あとは、見た目がヤバくなっている作り置きの煮物は、「 レンジでチンして臭わなれば出してOK 」 というルールもありました。

【坂尻】 これこそ書いたらまずいんじゃないの。例外中の例外でしょう、こんなのは。ところで何処の店?

【酒美】 居酒屋の働く条件は、良かったんですか?

2周年記念座談会 よみがえれ外食産業2008 外食ドットビズが外食産業に果すべき役割とは【貝田】 時給はテーマパークと同等でした。食べるために行列なんてことはないですから、体力的には楽だし、毎日まかないも食べられるので好条件だったかもしれないです。

【斎藤】 待遇はもちろん、働く環境が良いから某テーマパークには人が集まるんですね。

【貝田】 社員がバイトにうまく接するから、バイトも必然的にお客さん(正確にはゲスト!)におもてなしの精神を持つという循環があったように思います。

【坂尻】 今は、「 スターバックス 」 でそういう現象が起こっていて、いい人材が必然的に集まるようになっていますよ。

【貝田】 このサイトの仕事での問題点としては、レアケースを紹介しているんじゃないかというジレンマを感じることがあります。例えば、外食で成功した人々の話を文章にするのですが、このサイトを見ている方にメリットになるのか?という気がしてしまうんです。その人が置かれた環境や条件での成功談をこれから起業しようという人が読むと、「 お前だけの話じゃないの? 」 と見えてしまう可能性がある。そう見えないようにしなければいけないと感じています。

2周年記念座談会 よみがえれ外食産業2008 外食ドットビズが外食産業に果すべき役割とは【斎藤】 難しいところですね。経験談となると、どうしても自慢話に聞こえますよね。

【酒美】 話としてはおもしろければ自慢話もいいんじゃないですか。結局、成功した理由というのは、その人がそう思っているだけで、基本的には分らないものじゃないですか。

【貝田】 地域性や時代というのは、もう少し出していくべきかなと思います。30年前に起業して成功した人と現在は絶対にポイントが違いますよね。都内で20年前に成功した体験談が、いま地方で起業する時に有効になるかもしれない。そういうところに配慮して取材すべきではないかと思っています。

【斎藤】 急に真面目な話をありがとうございました。カメラマンの豊崎さんは外食の経験は、どのようなものでしょうか?

2周年記念座談会 よみがえれ外食産業2008 外食ドットビズが外食産業に果すべき役割とは【豊崎】 高校生の時は、武蔵小金井の長崎屋に入っている定食屋で働いてました。ラーメンや蕎麦を茹でて、ソフトクリームを盛っていました。鍋にサンダルが入るということはなかったですね。近所のおばちゃん達が厨房にいたので衛生面は良かったですね。

【前城】 主婦が厨房にいると、意識が高いので、衛生面はもちろん最低限のベースは保たれますよね。

【豊崎】 ただ、いま考えると、ラーメンとそばを同じところで茹でていましたから、アレルギーに関しては危なかったかもしれないですね。

【斎藤】 カメラマンとしては、料理をたくさん撮っているのですか?

【豊崎】 いわゆるグルメ誌・情報誌で、料理や店内の撮影をしています。

【坂尻】 店に行ってメニュー撮影となると、面白い話がありそうですよね。

【豊崎】 この店には、絶対に食べに行かないようにしようと思うことはあります。出てきたお刺し身を僕たちは手でいじって、アングルを変えたりするのですが、撮影用サンプルだと思っていたら、「 ラップして冷蔵庫に入れとけ。7時からの宴会に出すぞ 」 という声が聞こえたんです。何店舗もチェーンを出している居酒屋ですが、絶対に行くまいと思いました。あとは、ロウでできたサンプルを撮影させられたこともありましたね。撮影のためにタダで料理を出したくないんだろうなと思っていたら、撮影後に 「 好きなもの作るから、何か食べていきな 」 と言われました。「 だったら、撮影用に作ってくれ 」 と言いたかったですね。

2周年記念座談会 よみがえれ外食産業2008 外食ドットビズが外食産業に果すべき役割とは【斎藤】 良心的といえるかもしれませんね。料理を無駄に捨てなくてもいいし、お客さんに撮影した料理を出すこともないわけですから。

【豊崎】 撮影したものを客に出す神経もわからないですが、わざわざ新しい料理を作ってくれるのも理解できないです(笑)。

【斎藤】 最後に私の話を致します。編集長という肩書きになっていますが、本当に名目だけで権限のないワーカーとして日々働いております。外食産業新聞社さんから送られてくる外食日報のデータを 「 外食産業新聞ニュース 」 として毎日打ち込んでいますし、週刊のメールマガジンの作成と配信を行っています。サイトの記事としては、貝田さんと分担してインタビュー、テープ起こし、記事作成を担当したり、たまにデジカメを持って豊崎さんの仕事を奪って撮影もしています。それから、広告の営業もあります。こんな状況でやっていけるのも、ひとえにメンバーの協力のお陰と感謝しています(笑)。



外食ドットビズ編集部

参加者(外食ドットビズ編集部)

前列(右より) 外食ドットビズ編集長・斎藤栄紀(40代中盤)/外食ドットビズ運営会社社長・酒美保夫(50代中盤)/論説主幹・坂尻高志(50代後半)

後列(右より) カメラマン・豊崎淳(30代前半)/ライター・貝田知明(30代中盤)/システム作成兼特派員・福本龍太郎(30代中盤)/デザイン担当・前城幸代(30代中盤)/「食のコミュニティサイト」担当・永江慶太(30代中盤)

文: 貝田知明  写真:トヨサキジュン

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