女性のお客さまをお店に誘引することは、外食企業の永遠のテーマ。ダイエット、ロハスなどなど女性の食に対する興味は移ろいやすい一方、衛生面など外食店舗に求める絶対条件というものもあります。そこで、ジャパン・フードコーディネーター・スクールの学生3名様を参加者に迎え、食の専門家と一般消費者という両方の立場から、食に対する考えや外食企業に期待することを伺いました。また、消費者代表として当サイト制作スタッフも参加したほか、コメンテーターとして株式会社アグライア CEOの高木鈴子様、管理栄養士の長岡弓子様にもご参加いただき、現代女性の心に響く店舗づくりのヒントを聞き出してみたいと思います。なお、司会進行は、外食ドットビズ論説主幹の坂尻高志氏が担当します。(女性ばかりですから、座談会終了後も興味深い雑談が続きましたので、その模様も番外編として掲載いたします)
【坂尻】 タンパク質を摂らないと痩せるなんて噂が広がるような現状になってしまったのは、親の影響が大きいと思います。外食産業が普及して、子供の頃に外食が多かった世代が母親になってから、食の乱れが増えてきているのでしょうか?
【高木】 外食が良くない影響だったかどうかは分かりませんが、ただ食事を作らなくなったという傾向はあるのではないでしょうか。そういう母親に育てられると、大人になっても食事を作らない、その結果、食事が作れない親になる。そういう環境で育つ人は明らかに増えてきていると感じますね。
【前城】 実際問題として、自分が仕事をしていると朝は大変ですよね。化粧もしなきゃいけないし…。自分に子供ができたら、料理できるか不安になりますね。怖い母親になる可能性が高いかもしれない。
【坂尻】 皆さんのお母さんはどうだったんですか?
【石川】 作っていましたね。私もなるべく作るようにしていますし。休日に日持ちする煮物を作ることをスケジュールに入れています。疲れているときはイヤになりますけど。
【井上】 お恥ずかしい話ですが、私もあまり褒められた食生活をできてないんです。
【前城】 あ、私と同じ匂いがしますね(笑)
【井上】 母はちゃんと料理をしていましたけど、気付いたら何も食べていないことがよくあります。
【坂尻】 それは、食事を敢えて抜くんですか? それとも食べたくない?
【井上】 食べたいですよ。以前、流通の店舗にいたことがあって、食事がどうしても夕方になったり、夜勤があったりしてリズムが崩れてしまいました。
【坂尻】 食事を摂る・摂らない、単品に偏るというのは、体にはどういう害があるのですか?
【長岡】 定期的に食事を摂ってエネルギーに換えることが体の基本になりますので、何時間も食べない時間が続くと栄養不足の状態になって、疲れやすくなったり、病気になりやすい体質になってしまいます。危険な状態になりますよ。
【坂尻】 長岡さんが食事する場合は、いろんなことを考えて選択するんですか?
【長岡】 厳密には考えてないです(笑)。お肉が続いていたからお魚にという程度ですね。
【坂尻】 コンビニの前で夜 11時位に男の子がカップラーメンを食べたりする傾向は多いですが、最近では、電車の中でカップラーメンを食べる中学生も見かけます。年配者は嫌な顔をしていますが、本人達は平気なんですよね。
【高木】 やっぱり食育が大事ですよね。食育というのは、良い食事を学ぶということだけではなく、食事を通じてしつけをする、というところにつながるはずです。そういったお子さんは、食卓でしつけをされてないんだと思います。
【長岡】 座って食べることができないという子供も多くなってきていますね。
【前城】 友達とか連れが食事をする姿ってとても気になりませんか? 私は、食事をしている姿が汚い人とは二度と行かないようにしている。
【高木】 それで婚約破棄した人もいましたよ。
【前城】 …だと思います。すごくイイ人なんだけど、どうしても食べる姿が気になって…。去年お別れした方ですが(笑)。毎日一緒にご飯を食べなきゃいけないのに、朝からクチャクチャされたら耐えられないです。
【藤江】 そういう人って、幼い時に食を通してすばらしい体験をしてない人が多いような気がします。
【井上】 同じ家にいたにしても、バラバラに食事をしたりして、コミュニケーションがなかったんだと思います。
【坂尻】 最近は、親と一緒に食事しない人が多いですね。昔は、そういうことに親がうるさかった。そういった教育の場は家であるべきですよね。
【井上】 頭を良くさせたいから塾に行かせる、そのためには働かなきゃいけないというので、すれ違いの生活になる。それが良いことだと信じているのかもしれないです。
【坂尻】 中国の都市部では、食事を作れない母親がどんどん出てきて、その子供達の食生活がものすごく乱れてきているらしいです。日本もそうなりそうな気がしますよね。それがスタンダードになって、日本人の質も変わってくるかもしれない。
【石川】 途中でみんなが気が付いてくれるといいですね。そういうしつけや教育に手を掛けようとする人も徐々に増えているように感じています。
参加者
前列(左より)ジャパン・フードコーディネーター・スクール の石川圭さん、井上敏代さん、藤江洋子さん。
a後列(左より)アグライア CEO 高木鈴子さん、管理栄養士 長岡弓子さん、外食ドットビズ制作スタッフ・前城幸代、論説主幹・坂尻高志。
お客さまは身近にいる Part2 女性のお客さま、健康指向のお客さまの心をつかんでいますか?~ダイエットは節食から摂食の時代へ~