お客はこうしてつかめ ~6回の掲載を読めばすべてがわかるCRM構築~

お客はこうしてつかめ 6回の掲載を読めばすべてがわかるCRM構築

第2回 CRMは本当に必要なのか?

昔の駄菓子屋さんは今や減ってしまったが、お店に行くと懐かしい気がして、何かと買ってしまう。そんな心理状態は100円ショップでの買い物でもいえるだろう。

他の店の売上が上がっているのを見ると、人は羨ましく思うし、自分の所もと思っている方は多い。ちょっとした流れを変えていければ、ヒントにつながるだろう。しかし、それが解らない。

市場が成熟しつづけた結果、どこに行っても、どんな商品でも身近に買えてしまう。そこで、他店と何かの差別化をしていかないと、なかなか自社の景気浮上はありえない。

以下は、そんなマーケティング(個客を増やす)方法の参考になるかもしれません。


商品の質や満足は今当たり前です。しかし、あなたの店のサービスはマニュアル的になっていませんか?ライバルと比較したことはありますか?社員や社長が会社に想いをよせる時間はたっぷりありましたか?

私自身1999年の頃にそうでした。実は、会社に想いを寄せたのではなく中洲(福岡市にある九州一の歓楽街)に想いを寄せる時間をたくさん取っていたような気がします。やがて会社がおかしくなり、その年の年末に間違えに気付いて、2000年から社員ともども会社に想いを寄せる時間を増やしました。その結果は着実に数字に表れます。

顧客の階段があります。集客→見込み客→顧客→リピート→固定客→離脱となる。しかし、顧客になってすぐ離脱が小売業で4人に1人で、25%は一回こっきりだそうです。飲食業では2人に1人は1回こっきりだそうです。

私も、中洲に、知合いに連れていってもらい(集客)、かわいい子がいるので(見込み客)、また来るから携帯教えるね(顧客)、2回目は、私の携帯が鳴り、誘われて(リピーター)、一人で行き、何かあるかを期待して(固定客)、何も出来ずに次の店へ(離脱)。

売上ばかりを考えると、離脱客のことを忘れてしまいます。別の企業でも「チラシでお客さんを集め(集客)、目玉商品で引き付け(見込み客)、他の商品を購入してもらう(顧客)」の繰り返しである。「たぶんリピート客になっているだろう」で、商売をしている。

大切なのは、きっかけ作りを行なう事である。来るきっかけ、買うきっかけ、使うきっかけなどを、自社で見直して見てください。


顧客情報がいかに大事かと言う点ですが、顧客データベースは、構築が大事なポイントだと言う事です。例えば、営業段階のアプローチ回数や顧客の見込み度など、ノンカスタマーに対しての情報整備がなされていない。また、家族情報や紹介者等の構築もなされていない。もっと言うと、顧客の声(クレームや要望)を反映するような、データベース化がなされていない。ノンカスタマーからカスタマーへの移行、そしてカスタマーへのフォローが大事になる。

こんなことが良く言われる。顧客は、高額商品を買った翌日は不安状態に陥る。“本当に買って良かったのか?”と。購入後一週間以内にフォロー(商品の価値再度紹介)を行なうと商品への安心につながる。そして、ある一定期間後に、“商品はどうですか、支障ありませんか?”とかのフォローをすると、店への安心につながる。この2つの安心があれば満足へつながるし、顧客は離れようとしない。また、再来のチャンスになる。ただ、しつこい電話フォローやメールなどは、単に迷惑につながり、離脱客になってしまう。また、顧客の7割は1回から3回のライトユーザーである。ヘビーユーザーへ移行させるには、積極的にその気にさせないといけないことをご理解下さい。

顧客を肌で感じて、情報を理解した行動をしていれば、自然とCRMになっていることと思います。だから、CRMは必要ではなく当たり前なのです。

DMを出しても効果が無いとか、チラシも効かないとか、さまざまなことをやってもうまくいかないといった声をよく耳にします。それは、自分の店がお客さんに評価されていないからです。評価されていれば、DMも見てもらえるし、チラシも見るのです。私自身もそうです。DMを見たときに、「あーあの店だ」と思い出だしてみて、その店への信用や信頼などが無ければ、そのままゴミ箱に捨ててしまいます。これでは、効果は出ませんね。

営業マンには、本人の意識を変えるか、的確な指示をしてあげるかの2つの方法が考えられる。前者は、生まれ持った性格を早々に変える事はできないので、何か生活上の異変(結婚・出産・夢)が起こらないと変わらない。後者には、やりようがある。「あなたは、この商品の説明が足りないのでは」とか、いろいろ説明してあげることで、伸びて来るものだ。ただし、根気がいる。そんなことはできないという方は、マーケティングの本でも読ますしか方法はない。ただ、現在の営業は感性も必要である。

私どもの営業は、少ない予算でどうしたら見込み客が集まるかを検討しています。飛び込みの営業を止めて、DMや何かの方法を見つけ、通常の営業の方法とは別に、いろいろな方法を試しています。自分の体で感じることだと思っています。だから自分達で試みています。何か生まれるといいのですが、マーケティング新聞も作成しています。まず、肌で感じることだと言う事です。自分の商品や考え方などを自分のものにすることにより、売り方やシチュエーションなど感性が生まれてくるものだと考えます。


もうひとつ、個客は警戒心を持ってあなたの商品を見ているので、良い所も半減しています。あなたは、あなたの事を知らない人に、商品を売り込んでいます。きっと、「買わされないようにしよう」という心理から入ってくるでしょう。商売はタイミングと言います。運良く注文を頂いても、本当の注文ではないのです。

そのような時、例えば個客から自分の商品へのアドバイスをもらうようにしたらどうでしょう。それで個客ニーズも分かる筈です。奥は深いのですが、個客の警戒心を取り除いて、見込み客を増やす。まず、これを焦らずにやって、個客の心の扉を開きましょう。そこからが本当の注文の時期です。焦りますが、コツを覚えると意外と簡単かもしれません。

ある時、Eメールで歯医者へマーケティングビデオのプレゼントを行ないました。ビデオは、マーケティングの話し7分、デモ23分の構成です。500件に送ったところ、25件から欲しいとの反応がありました。5%の効果があった。これは意外でした。

マーケティングを意識している、もしくは患者を増やさないといけないと思っている歯科医院、これらは、私のビジネスの対象である、システム検討予備軍だと言う事です。最初に言った架空の見込み客より、確率は高いはずです。今後は、確率の高い見込み客をもっと増やさないといけません。ふつうのソフトの案内であれば、多分誰も返事はしなかっただろう。

ヒントになれば幸いですが、ビデオの内容が良いか悪いかは、ビデオを見てくれた方の判断ですが、大事な事は、意識をされた見込み客が集まったと言う点です。本当の意味での見込み客を集めるのは難しいものだ。(実は、ビデオが手作りであまりうまく出来てなくて、多分、7分位見たらもう止めたかも知れない。次ぎからはこの失敗を生かそう。)

チラシをメインに行なっている会社が多い、しかしそれでいいのだろうか?

年間2,000万円チラシに使っていたお客さんがいました。しかし、今では年間200万円になりました。まず、勇気を持って、チラシを減らしてみると、売上に影響が無いことに気付きます。

そして、個客管理を行なえる準備に入ります。来ているお客様に手渡しチラシを出すようにします。ここで注意すべきは、競合店がチラシをどんどんやっても気にしないことです。注意してください。

それから個客管理をし、分析するのです。VIPのお客さんが何を求めているのか(欲求・要求)、商圏の把握などです。そうすると月に顧客が何人稼動すればいくら売上が上がるかが分かって来ます。そうなれば社員に顧客獲得理由を具体的に話せる機会が出来ると思います。お客様は神様です。あなた主導、もしくは会社主導で行なっていては、お客様はついてきません。集客するには、まずお客様のことを第一に考えてみましょう。

売上=顧客数×購買頻度×(一客点数×一点単価)

見える顧客がいたら、売上が読めて来るのではありませんか。



大井啓伊

大井 啓伊

株式会社ミリオネット
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