値段はお客様が決める!-シェフのプライドをかけたレストラン “ THE CHEF’S BANK ” 登場

値段はお客様が決める!シェフのプライドをかけたレストラン THE CHEF’S BANK登場

料理の値段をお客様が決めるイベント型レストランが東京・赤坂に登場した。テーブルスタジオタキトークッキングスクール を運営する株式会社キッチンアンドテーブルが中心になって進めている「THE CHEF’S BANK 値決めレストラン」である。このレストランは単なるイベントではなく、シェフのための開業支援、転職支援、さらには開業前のファン顧客獲得という目的を持つ。今回はこの取り組みと実際に参加したリポートをお届けしたいと思う 。

第1回 新しいかたちの創業支援システム『シェフズ・バンク』(1)

第1回 新しいかたちの創業支援システム 『 シェフズ・バンク 』(1)

9月16日(水)と17日(木)の両日、テーブルスタジオタキトーで 「 第3回 THE CHEF’S BANK 値決めレストラン 」 が開催された。

THE CHEF’S BANK値決めレストランとは、その開催概要によると、

  1. 月1~2回 不定期で開催されるイベント型のレストランです。
  2. 毎回シェフが変わります。ですから、業態も料理も全て変わります。
  3. 料理は全てシェフのオリジナルの品々。ここでしか食べれないものばかり。
  4. 飲み物は料理に合わせたものをご用意しています。(もちろんフリードリンクです)
  5. 通常のレストランと違い、入店前に飲物料として1500円を頂戴いたします。
  6. 入店料の地に、料理を食べた後、料理の値段をお客様が決めてお支払いください。お口に合わなければ、お支払い頂かなくても結構です。だからこそシェフは真剣です。

値段はお客様が決める!-シェフのプライドをかけたレストラン “THE CHEF’S BANK”登場シェフが今までの経験や技術を駆使し、最高のオリジナル料理を提供して、お客様はその料理を食べて 「 見合う金額 」 を支払うという、いわばお客様がそのシェフの料理の価値を決め、値段を決める 「 いい値レストラン 」 である。

手間や材料費がいくらかかっていようと、口に合わなければ支払いゼロも有り得るという、まさにシェフのプライドをかけた真剣勝負の場なのである。

ここまでを見ると、単なるイベントレストランでしかないように思えるが、その目的について主催者の株式会社キッチンアンドテーブルの瀧藤久夫社長にお聞きした。

値段はお客様が決める!-シェフのプライドをかけたレストラン “THE CHEF’S BANK”登場【 瀧藤社長 】 食の世界に関わっている身から、昨今の外食産業をみると疑問を感じることがいくつかあります。例えば、“ 食 ” よりもデザインや業態といった企画中心の店舗が台頭していますよね。結局これが 「 食文化 」 の衰退につながっているのではないか?

例えば、有名シェフと呼ばれる方々のタレント化が進んで、それが、店舗存続の要因に直結してきているのでないか?逆を言うと力がありながらも正当に評価されていないシェフや店舗が多いのではないか。

例えば、フランチャイズビジネスの発展により均一な価格・品質・味の提供が可能となったが、“ 食 ” はクリエイティブであり、人間の源を作る非常に重要なものということから考えると本当にそれでいいのか。などなど疑問が涌いてきました。

値段はお客様が決める!-シェフのプライドをかけたレストラン “THE CHEF’S BANK”登場疑問に対する答えは、「 お客様に望まれるものを提供して、一緒に成長できること。」 「 “ 食 ” の大切さと無限の可能性を感じてもらい、楽しみと喜びを知ってもらうこと。」 「 脱フランチャイズ。フランチャイズでない新しい店舗出店システムの確立。」 ではないかと考えました。

私の立場からその実現のためには、食のプロフェッショナルであるシェフにスポットライトを当て、次世代を担うシェフを発掘し、評価型イベント等を通して、お客様に正当な評価をしていただき、お客様に支持を得たシェフを世の中に出していくことが必要だと考えたのです。

THE CHEF’S BANKの仕組みについて、具体的にお聞きした。

THE CHEF’S BANK の仕組(クリックで拡大します)【 瀧藤社長 】 まず、チャレンジ精神のあるシェフにシェフズバンクに登録してもらいます。“ THE CHEF’S BANK ” 評価型イベントで自分の腕を振るってもらいます。そこでお客様の支持を得ることができたシェフには独自の創業支援システムで物件開発や資金調達などの支援を行い店舗出店までお手伝いします。開業後はシェフがオーナーとなりますが、店舗運営のフォローなど、オーナーシェフをアシストしていきます。



文: 斎藤栄紀

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