おいしさと繁盛を支えるパートナーをめざして -100年間、日本の外食産業とともに歩んできた味の素からの提案

おいしさと繁盛を支えるパートナーをめざして 100年間、日本の外食産業とともに歩んできた味の素からの提案

震災の影響などによる国産食材の高騰や消費の低迷で飲食業界を取巻く環境は厳しい。消費税増税の可能性もあり厳しい状況は暫く続くと思われる。この様ななか、食材コストを切り詰めてもおいしい料理を提供するための施策を考えていく必要がある。その一つとして調味料を有効活用していくことが考えられる。家庭であたり前のように使われる「味の素®」、世界で通用する「UMAMI(うまみ)」という言葉を生み出した味の素株式会社は、飲食業界との結びつきをより強固にすべく取組んでいる。飲食店向けに情報を発信するWEBサイトを立ち上げるなど、同社の飲食業に対する取組みとその特徴的な商品の活用法についてみていきたい。

第2回 店のオリジナリティを活かせる業務用うま味調味料

第2回 店のオリジナリティを活かせる業務用うま味調味料

「味の素R」は天然素材を使用(イメージ)- うまみ調味料が化学調味料と呼ばれる理由をお教え下さい。

確かに、うまみ調味料と呼ばれる前に化学調味料と呼ばれていた時期がありました。これは昭和30年代にNHKの料理番組で 「 味の素® 」 が企業名のため公共放送では使えなかったため、便宜的に “ 化学調味料 ” と呼ばれ始めたという経緯があります。当時は “ 化学=最先端 ” と良いイメージがあったのでそのように名付けられたようです。前述のように 「 味の素® 」 はサトウキビやトウモロコシなどの天然素材を原料としてつくられた安心・安全な調味料です。

「味の素R」はうまみ調味料昭和60年代以降は、「 うまみ調味料 」 と呼ばれるようになりましたが、これは 「 うま味 」 が 「 甘味 」 「 酸味 」 「 塩味 」 「 苦味 」 とは異なる基本味として科学的に認められたこと、化学調味料だと天然素材を用いて発酵法でつくられている製品であることが適切に表現されていないことなどが理由としてあげられます。現在では、行政の統計資料などで使用する用語の基本となる日本標準産業分類、日本標準商品分類などにおいても 「 うま味調味料 」 の名称に統一されています。

澤田泰氏-貴社の外食業務用商品の成り立ちについてお聞かせ下さい。

当社は、創業以来100年に渡る長い歴史の中で、家庭用商品をメインにして参りましたが、1970年頃から業務用商品をラインアップとして順次送り出してきました。そして、2004年に外食デリカ事業部を発足させました。それまで商品を軸にした食品事業部門の一部だったのですが、飲食店などの外食やコンビニなどの中食を顧客とした事業部を独立させ、業態に沿った商品開発やコミュニケーションを行っています。

「味の素R」「ほんだしR」クノールR「チキンコンソメ」その理由は、家庭用のターゲットである主婦と業務用のターゲットであるレストランや居酒屋などの飲食店様とでは求められるニーズが異なるためです。主婦には簡便さやこれ一つで簡単に味が決まるといったオールインワン的な要素が必要です。一方、外食では、お店がオリジナリティのある味を出すために、あくまでも味のベースになるものやアレンジがきくものが求められます。さらに保存性や経時劣化に強いものが必要とされますので、商品開発の軸が家庭用とは異なる商品もあります。

- 飲食業でのうまみ調味料活用の実態をお教え下さい。

「 味の素® 」 「 ほんだし® 」 やコンソメといった粉末・顆粒調味料が今、大いに見直されているようです。2008年に起きたリーマンショックや昨年の東日本大震災以降、厳しい環境下に置かれている外食業界では、さらに客単価が安い方向に流れています。コスト面から国産チルド肉から海外産冷凍肉に切り替えたり、加工品から手づくりに切り替えたりする飲食店様が増えてきました。そのようななかで、安価な素材でも風味調味料やうまみ調味料を上手に使うことで、料理をおいしく、安く提供し、お店が繁盛されている事例が徐々に増えていると思います。



取材協力 食品事業本部外食デリカ事業部 マーケティンググループ専任課長 澤田泰氏

味の素株式会社

http://www.ajinomoto.co.jp/

代表者:代表取締役 取締役社長 最高経営責任者 伊藤 雅俊氏

本社所在地:東京都中央区京橋一丁目15番1号

創業年月日:1909年5月20日

設立年月日:1925年12月17日

味の素株式会社

 

文:齋藤栄紀
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