おいしさと繁盛を支えるパートナーをめざして -100年間、日本の外食産業とともに歩んできた味の素からの提案

おいしさと繁盛を支えるパートナーをめざして 100年間、日本の外食産業とともに歩んできた味の素からの提案

震災の影響などによる国産食材の高騰や消費の低迷で飲食業界を取巻く環境は厳しい。消費税増税の可能性もあり厳しい状況は暫く続くと思われる。この様ななか、食材コストを切り詰めてもおいしい料理を提供するための施策を考えていく必要がある。その一つとして調味料を有効活用していくことが考えられる。家庭であたり前のように使われる「味の素®」、世界で通用する「UMAMI(うまみ)」という言葉を生み出した味の素株式会社は、飲食業界との結びつきをより強固にすべく取組んでいる。飲食店向けに情報を発信するWEBサイトを立ち上げるなど、同社の飲食業に対する取組みとその特徴的な商品の活用法についてみていきたい。

第1回 国際語「UMAMI」を生み出した「味の素」

第1回 国際語「UMAMI」を生み出した「味の素」

1908(明治41)年に、東京帝国大学の池田菊苗(きくなえ)教授によって見出されたグルタミン酸に由来する 「 うま味 」 の発見により 「 味の素® 」 が誕生することになる。

池田教授は4つの基本味である 「 甘味 」 「 酸味 」 「 塩味 」 「 苦味 」 とは異なる味があると考えた。昆布のだしで食べる湯豆腐の美味しさから昆布に含まれる成分を調べた結果、アミノ酸の1つであるグルタミン酸の抽出に成功し、これがその味のもとであることを発見した。この味に 「 うま味 」 と命名し、事業化を鈴木三郎助に依頼した。1909(明治42)年の5月に一般販売が開始されたのが 「 味の素® 」 である。「 味の素® 」 の販売は日本国内にとどまらず、翌1910(明治43)年には台湾で発売され、その後韓国、中国へと積極的に拡大して行った。現在ではアジアにとどまらず欧米やアフリカなど世界各国へ広がり、「 うま味 」 は 「 UMAMI 」 と国際語として使われるまでになった。

澤田泰氏ここからは、うまみ調味料について、業界最大手の味の素株式会社の澤田泰氏に話を伺っていく。

- うまみ調味料とは何ですか?

「 うま味 」 は、昆布に多く含まれるグルタミン酸というアミノ酸、かつお節に含まれるイノシン酸や椎茸に含まれるグアニル酸といった核酸など、もともと自然界にあった物質に含まれています。うま味調味料である 「 味の素® 」 は、世界各国で作られているのですが、その国、地域で収穫できるものを使っています。例えば日本ではサトウキビから、タイではタピオカのでんぷんの元となるキャッサバという芋から糖蜜を抽出し、そこに 「 発酵菌 」 を加えてつくられています。この他にもトウモロコシやテンサイなど国や地域ごとに最適な天然素材からつくられています。「 発酵菌 」 という微生物がサトウキビの糖蜜を発酵させ、“ 「味の素®」のモト ” をつくります。この “ 「味の素®」のモト ” から不純物を取り除き、精製しキレイな結晶にしたものが 「 味の素® 」 なのです。

「味の素」の原料となるサトウキビ(イメージ)ご家庭では、「 味の素® 」 などのうまみ調味料が使われるのが一般的となりましたが、これは女性が社会に進出するようになるにつれ、今まで昆布やかつお節から手間をかけてダシを取ることに代わって、うまみ調味料を使ってうま味を手軽に得る方法が浸透してきたという時代背景にあると思います。

また世界を見てみると、アフリカなどの地域では、日本と比較してうま味成分の少ない肉や野菜を煮たスープの中に 「 味の素® 」 を加えるだけで、おいしいスープになるような使われ方がされています。



取材協力 食品事業本部外食デリカ事業部 マーケティンググループ専任課長 澤田泰氏

味の素株式会社

http://www.ajinomoto.co.jp/

代表者:代表取締役 取締役社長 最高経営責任者 伊藤 雅俊氏

本社所在地:東京都中央区京橋一丁目15番1号

創業年月日:1909年5月20日

設立年月日:1925年12月17日

味の素株式会社

 

文:齋藤栄紀
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