飲食業界での起業を考え、実践に移してる若い皆さんを応援する 「起業家への道」。当サイトの開設直後から、動向をお伝えしてきた柳生久輝さんの居酒屋物件がついに決定しました。
その場所は、東京都世田谷区にある三軒茶屋。世田谷区を代表する商業地であり、渋谷にも近いため、女性が住みたい街・おしゃれな街などのランキングでは必ず上位に入ってきます。その一方で、駅周辺には昔ながらの商店街や横丁などが残っており、柳生氏が決めた物件もその一角に位置しています。
ついに、形が見え始めた柳生氏の 「人が主役の居酒屋」。今回は物件を決定した経緯から、6月オープンに向けた構想を聞いてきました。(取材日:2009年4月27日)
―いろいろと検討されていましたが、融資に関しては、最終的にどのように決定されたのですか?
【 柳生 】 世田谷区の創業融資制度を利用して、銀行から借りる予定です。同じ制度を使って独立した先輩がいたので、話を聞かせてもらい、申請書類もコピーさせてもらいました。これまでに窓口で何度か相談をさせてもらっています。申請には、内装費の見積もり等も必要になるので、内装業者から見積もりが出てくるゴールデンウィーク明けに本申請をする予定です。
―自己資金でまかなうこともできたのではないですか?
【 柳生 】 いやいやいや、そんなことはないです(笑)。自己資金でやる方法もありそうでしたが、先輩たちの話を聞くと、借金した方が勉強になると言われました。もし、2店舗目を出すなどの次の動きをする時には、絶対に融資が必要になるので経験しておいた方が良いという意見があったのです。それに、運転資金が手元にあった方がいいというアドバイスもありました。自己資金をストックしておくための融資という考え方です。
―差し支えなければ、今回の開店での総額はいくら位になるのか教えてもらえますか?
【 柳生 】 大まかですが、物件取得に150万円、内装・設備に500万円、運転資金で300万円残ればという感じです。
―学生時代にデザインを学ばれていましたが、内外装などはご自分で考えるのですか?
【 柳生 】 いろいろ考えたのですが、一人だと考え方が偏ってしまうし、誰かと組む方がイメージも広がるのではないかと思って、内装業者さんと一緒に決めていくことに決めました。自分でデッサンしたものやイメージを伝えて、業者さんの方で具体的な形にしてもらうという進め方です。
―前回、サッポロビールさんとお打ち合わせをされていたましたが、今回の物件については何かお話をされたんですか?
【 柳生 】 もちろん話をしましたし、図面や立地条件も見てもらって、「 いいね 」 という評価もいただけました。これからもサポートをお願いしようと思っています。
―いよいよ物件が決まりましたが、店舗のコンセプトやターゲットに変更はあるのでしょうか?
【 柳生 】 “ 25才以上の女性 ” をメインターゲットとした居酒屋というのは変わりません。メニューもいろいろと考えている途中で、名称やコンセプトをメモ書きして、物件の壁に貼ったりしています。メニューは、厨房機器との兼ね合いもあるので、具体的に形にする作業は開店直前まで続くと思います。焼き物をメインにするにしても、ガスなのか炭火にするのか、どの程度の大きさの機械なのかでメニュー構成は変わってきますから。それに、揚げ物用のフライヤーを入れるかどうかで、メニュー全体の構成も変わりますし。すべては、GW明けに業者から出てくる1回目のデザインを見て、そこからイメージを詰めていくようになります。
―従業員は何人雇う予定ですか?
【 柳生 】 7坪の狭い店ですから、自分+バイト1人だろうと考えています。最初のうちは働いた店の後輩などが手伝ってくれると思いますが、これからバイトの募集もしていく予定です。
―最後の質問ですが、すでに店舗名は決まっているのですか?
【 柳生 】 それも悩んでいるところなんです。近いうちに自分で決めたいと思います。
柳生久輝
1977年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。美大生時代に居酒屋でアルバイトを経験。卒業後、某酒造メーカーへ広告製作のデザイナーとして就職するも、居酒屋経営の夢強まり転職。バイトして居酒屋グループの正社員となる。現在は、東京・三軒茶屋に物件を確保し、2009年6月の居酒屋オープンに向けて奔走している。