飲食業界での起業を考え、実践に移してる若い皆さんを応援する 「起業家への道」。当サイトの開設直後から、動向をお伝えしてきた柳生久輝さんの居酒屋物件がついに決定しました。
その場所は、東京都世田谷区にある三軒茶屋。世田谷区を代表する商業地であり、渋谷にも近いため、女性が住みたい街・おしゃれな街などのランキングでは必ず上位に入ってきます。その一方で、駅周辺には昔ながらの商店街や横丁などが残っており、柳生氏が決めた物件もその一角に位置しています。
ついに、形が見え始めた柳生氏の 「人が主役の居酒屋」。今回は物件を決定した経緯から、6月オープンに向けた構想を聞いてきました。(取材日:2009年4月27日)
―ついに物件を決められたそうですが、その経緯を教えてください。
【 柳生 】 なんだかんだ言っても、土地勘があるに越したことはないですから、働いた経験のある三軒茶屋周辺で物件を探していました。三軒茶屋で一番古い不動産屋があるという情報を聞いて、3月中旬に行くことにしたのですが、その日は朝から同じ沿線を3駅分ほど歩きながらしらみつぶしに不動産屋を当たり、最後にその不動産屋へ行くことにしました。
不動産屋はどこもその傾向がありますが、店舗を探している人がいっぱいいるために門前払いのようにあしらわれることがあるんです。その日も20軒ほど廻ったのですが、どこも同じような感じでしたね。三軒茶屋のその不動産屋でも 「 いまは無いですね 」 と言われてしまいました。適した物件が出てきたら連絡をしてもらための登録カードのようなものを書いていたら、店舗担当の女性が出てきて、ちょっと話をしたら、僕が働いていたお店の常連さんの知り合いだとわかったんです。チャンスだと思って、話を進めたら、知り合いにしか貸さないという物件の情報を出してきてくれたんです。その時は、空いたばかりで工事中だったために見られなかったですが、1週間後に見せてもらったら、「 ここだな 」 と直感するものがありました。
―「 ここだな 」 と思ったポイントは?
【 柳生 】 単純に駅から近くて、路面店というところです。それから、間口が広いことも気に入りました。金額も安く、保証金なしの敷金礼金だけという物件だったのです。3月下旬に退店する予定で、タイミングも良かったんですね。知り合いの件も含めて 「 縁 」 があったのかなと思いました。すぐに物件を押さえてもらって、後日4月10日に契約をしました。だから、もう家賃が発生してるんです。
―家賃はおいくらなんですか?
【 柳生 】 図面上は約7坪で月12万円で、坪単価にすると2万円を切っています。トイレとエアコンだけが残っているスケルトンの物件で、厨房機器等はこれからですね。
―物件探しでは、あまり苦労談はなかったようですね?
【 柳生 】 働いていたのであまり動けなかったことが悩みといえば悩みでした。その間は、ネットの店舗物件専門の不動産屋から情報を得ていました。路面店というのを絶対条件にしていて、良さそうな物件もありましたが、住宅街周辺の交差点という立地が多かったんですね。やっぱり駅近の物件に越したことはないですから。
―4月末の現在は、何をしている状況ですか?
【 柳生 】 この前の休みには、保健所に衛生管理責任者の資格を取りにいってました。それから、合羽橋に通って、店の人に食器について相談しています。4月一杯で仕事を辞めるので、5月から本格的に動き出す感じですね。5月中旬に着工して、6月中旬までにオープンできればと思っています。お願いした内装業者からは、工期は3週間程度だと言われています。柳生久輝
1977年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。美大生時代に居酒屋でアルバイトを経験。卒業後、某酒造メーカーへ広告製作のデザイナーとして就職するも、居酒屋経営の夢強まり転職。バイトして居酒屋グループの正社員となる。現在は、東京・三軒茶屋に物件を確保し、2009年6月の居酒屋オープンに向けて奔走している。