飲食業界での起業を考え、行動に移している皆さんを応援する「起業家への道」。第1回から「起業家のタマゴ」としてご登場いただく柳生久輝さんと、特集記事で掲載した「相談するなら、サッポロビール。」のサッポロビール株式会社さんとのコラボレートが実現しました。
“ 繁盛が永続するお店 ” の実現を目指して支援業務を行うサッポロビール・フードビジネスサポート(FBS)グループのバックアップによって、いよいよ「人が主役の居酒屋」が動き出します。まずは、FBSグループのフローチャートに基づき、サッポロビール本社での相談・アドバイスの模様からスタートです。
(柳生氏の構想や個人情報、並びにサッポロビール社の企業秘密に関わることは割愛・伏せ字で処理していますことをご了承ください)
【 サッポロ 】 参考にしたい繁盛店や見学したい店というのはありますか。
【 柳生 】 基本的には、小規模であり、チェーン店ではないお店。若い人がやっている店がいいですね。居酒屋の良さは安いことだと思っていますので、値段が高い店を見てもあまり参考にならないだろうと思います。もちろん、高めのメニューがあっても面白いですが、基本的には安い料理の店というイメージ。
【 サッポロ 】 週に2回は来られるような感じですか。
【 柳生 】 素材の良さで勝負というよりも、親しみやすさを売りにしたいですね。
【 サッポロ 】 料理のアイデアはブログに書き溜めていらっしゃるようなので、物件探しと同時にベンチマークができるお店を探したいですね。こんな店にしたいというモデルを探すわけです。
【 柳生 】 自分の理想に近い店ということですか。
【 サッポロ 】 そうですね。2~3店舗を探し出して、頭の中でミックスして形にしていくわけですが、ソフトから考えるべきです。お客さんにこういうものを食べてほしいから、こういったカウンターがいいなど、お客さんにしてあげたいことをイメージして、お店の箱づくりを頭に描いていけば、いいお店になるはずです。柳生さんと距離が近いお客さんを作ることがベストですからね。
【 柳生 】 そういった意味で、カウンターを大事にしたいと思っています。
【 サッポロ 】 そうですね。カウンターじゃないと常連客は生まれないですから。そして、売上は宴会で稼ぐ。12坪の物件であっても、カウンターを作りつつ、同時に7~8人が座れるテーブルも作らないと売上は伸びてきません。それに、12坪と15坪のお店だったら、厨房の占める割合はあまり変わりません。あと、20坪までならトイレは1つでいいですが、25坪を超えると2つ必要になります。そう考えると、20坪程度が 「 いい箱 」 と言うことができるのです。
【 柳生 】 やはり、居抜きの方が安く付くものですか?
【 サッポロ 】 考え方次第ですね。3~4年はそれでやっていけるけれど、10年営業する途中で防水をやり直したり、配管工事をする必要が出てきたりしますから。
【 サッポロ 】 他に何か質問は?
【 柳生 】 物件を数多く見ること以外に、いま(1~2月)やるべきことは何があるでしょうか。
【 サッポロ 】 スケジュールを逆算してみることですね。仮に、5月1日オープンとすると、 4月25日には完成したお店を引き受けないといけませんので、余裕を見て4月1日には店の工事に着手しないといけないわけです。そうすると、やるべきことは分かってきますよね?
【 柳生 】 とりあえず、「 時間が全然ない 」 ということはよく分かります(笑)。
【 サッポロ 】 次は、ベンチマークになる店を一緒に見に行きましょう。これまで見てきた店も経営者目線になると随分違ってきますから、いろいろと候補を探しましょう。
【 柳生 】 そうですね、よろしくお願いします。
柳生久輝
1977年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。美大生時代に居酒屋でアルバイトを経験。卒業後某酒造メーカーへ広告製作のデザイナーとして就職するも、居酒屋経営の夢強まり転職。バイトして居酒屋グループの正社員となる。現在は、2009年春の居酒屋オープンを目指す。
サッポロビール株式会社・フードビジネスサポート(FBS)グループ
http://www.sapporobeer.jp/kaigyo/
“ 繁盛が永続するお店 ” の実現を目指して、外食企業・飲食店向けの支援業務を行う専門部隊として2001年に正式発足。新規開業はもちろんのこと、2~3店目の出店やチェーン店の新業態提案など、飲食店経営のいかなる状況にも対応できるサポート体制を有している。08年3月には、新規で外食業界に挑戦しようという人々のために 「 開業サポートセンター 」 を開設している。
取材協力:首都圏本部 東京統括支社 東京南支店 副支店長 久嶋大典氏