飲食業界での起業を考え、行動に移している皆さんを応援する「起業家への道」。第1回から「起業家のタマゴ」としてご登場いただく柳生久輝さんと、特集記事で掲載した「相談するなら、サッポロビール。」のサッポロビール株式会社さんとのコラボレートが実現しました。
“ 繁盛が永続するお店 ” の実現を目指して支援業務を行うサッポロビール・フードビジネスサポート(FBS)グループのバックアップによって、いよいよ「人が主役の居酒屋」が動き出します。まずは、FBSグループのフローチャートに基づき、サッポロビール本社での相談・アドバイスの模様からスタートです。
(柳生氏の構想や個人情報、並びにサッポロビール社の企業秘密に関わることは割愛・伏せ字で処理していますことをご了承ください)
【 サッポロ 】 まずは、希望開店予定を教えてください。
【 柳生 】 3-4月の間に物件を見つけられればと思っています。出店は5月末頃という感じでしょうか。年が明けて、ようやく自覚しはじめたというのが正直な感覚です。
【 サッポロ 】 ご自分が持っているもののなかで、何が得意分野なのか、何ができるのかというところから考えることをお勧めします。そして、それに対して、誰が一番喜ぶのかという観点でターゲットを考えて、ターゲットが一番集まるエリアで物件を探すという流れがいいのではないでしょうか。
【 柳生 】 25~35才をメインにした女性ターゲットというイメージが強いです。これまでやってきたことが、女性客を呼ぶ仕掛けやメニューづくりでしたから。野菜料理をメインにするのも面白いかなと思っています。
【 サッポロ 】 野菜をたくさん入れるけれど、やはり女性も肉や魚を食べたいわけですよね…。
【 柳生 】 もちろんそう思います。野菜専門店にするつもりはありません。
【 サッポロ 】 野菜と謳いながら、肉や魚をしっかりと食べさせるという戦略もありだと思います。入口は野菜だけれど、肉も充実している。自分の注文したものとはちょっと違う、良い意味での裏切り方っていうのは印象に残りますよね。
【 サッポロ 】 どのような、お店のコンセプトやイメージをお持ちですか?
【 柳生 】 自分がやってきたのが居酒屋ですから、居酒屋業態にするつもりです。言い方は難しいですが、小洒落たものをやろうと思っているわけではないんですよね。
【 サッポロ 】 シャレてはいなくて、女性客を呼ぶという訳ですか…。
【 柳生 】 “気取りたくない” という感じですね。「 女性が入れるような赤ちょうちん 」 といったイメージです。
【 サッポロ 】 「 女性向け赤ちょうちん 」 は、いいコンセプトになるかもしれないですね。会社から駅に向かう途中に寄りたくなる場所がいいでしょうね。仕事の気持ちが高ぶっている時に目に入るという立地ですね。そうすると、働いている女性が多くいるエリア、渋谷や新宿という立地は良いかもしれませんね。
【 サッポロ 】 物件を探すときは、フットワークを軽くしないと見つかりません。
【 柳生 】 具体的には、どういう感じですか?
【 サッポロ 】 候補となるエリアが出てきたら、週一回は近辺にある不動産会社に通って、空き店舗の状況を聞きに行くといったことが必要です。ある空き物件が出てきたときに、「 不動産屋さんが柳生さんの顔を思い浮かべるような関係 」 を作らないと、良い物件は見つけられないものです。物件はなるべくたくさん見て、どんどん内見をして情報を集めるべきです。申し込み入れるのはタダだし、最終的に断ってもキャンセル料はありませんからね。柳生久輝
1977年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。美大生時代に居酒屋でアルバイトを経験。卒業後某酒造メーカーへ広告製作のデザイナーとして就職するも、居酒屋経営の夢強まり転職。バイトして居酒屋グループの正社員となる。現在は、2009年春の居酒屋オープンを目指す。
サッポロビール株式会社・フードビジネスサポート(FBS)グループ
http://www.sapporobeer.jp/kaigyo/
“ 繁盛が永続するお店 ” の実現を目指して、外食企業・飲食店向けの支援業務を行う専門部隊として2001年に正式発足。新規開業はもちろんのこと、2~3店目の出店やチェーン店の新業態提案など、飲食店経営のいかなる状況にも対応できるサポート体制を有している。08年3月には、新規で外食業界に挑戦しようという人々のために 「 開業サポートセンター 」 を開設している。
取材協力:首都圏本部 東京統括支社 東京南支店 副支店長 久嶋大典氏