第3回
オープン当日
いよいよオープン当日を迎えました。今までの仕事の成果を発揮する時です。今から新しいことをしようと思ってもきついかも知れません。前述した通り、オープン日以降数日間の営業は、店の将来を占う意味で非常に重要です。お客様は、少しでも不愉快な目に合えば、それが風潮となって店の評判に影響します。逆に、「 感動 」 を与えられれば、口コミで広がっていきます。口コミ効果は 「 最大の販促活動 」 ということを忘れないで下さい。
オープン日当日は、スタッフに対して次の3点の行動を徹底してください。
「 笑顔 」 「 キビキビとした動作 」 「 私語厳禁 」 等、今までの教育で彼らに伝えてきた内容をもう一度確認してください。緊張で声が出ないようなスタッフには、オープン前に声を出す訓練も必要でしょう。
様々な状況で、瞬時の判断が必要な場面が出てきます。さらに、営業状況によっては、あらかじめ決められたポジションの変更も有り得るでしょう。店舗の 「 指揮命令系統 」 は店長が基点となりますので、どんな事情があろうと店長の指示に従うことを徹底させてください。
オープン日は、いろいろなお客様が来店します。中には、競合店舗の方達が調査に来たり、「 好ましくないお客様 」 も来店されるかも知れません。お客様からの質問や、分からないことは、すべて店長に集約させるようにしてください。
店長の行動の基本は、次の3点です。
お客様にできる限り 「 声 」 を掛けて、来店されたことに対して感謝の気持ちを伝えてください。お客様の印象は、入店時の対応で決まります。
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スタッフのオペレーション上のミス、もしくは対応のまずさは、その場で(お客様の見えないところで)すぐに修正します。お客様に迷惑を掛けた場合は、店長がお詫びをしましょう。
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常に、店舗のQ(品質)S(サービス)C(きれいさ)を確認し、クレームが発生する前に手が打てるようにチェックしましょう。特にサービスや調理の「遅れ」については、第八章 第2回:「遅れ」の原因はなに? で書いたようにクレームの大半は「遅れ」によるものです。
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クレームが発生したらすぐに対応し、さらに会計時でもう一度お詫びをしてください。クレームを出さないことが鉄則ですが、もし発生してしまった場合でも、対応時の「感じ良さ」によって、ファンになってくれることも多いのです。お客様には楽しく、気持ち良く帰っていただけるように気を配りましょう。
「 お客様には楽しく、気持ち良く帰っていただけるように~ 」 と説明しているが、これはスタッフに対しても同じこと。オープン日の営業は緊張感もあり、今までの教育/訓練で得た知識や技術の半分も発揮できなかったかもしれない。一人一人をねぎらい、課題の確認をして、また気持ち良く明日の営業で活躍してくれるように期を配ろう。
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