外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。
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第3回
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・ 客数目標 … 500人 ・ 労働時間目標 … 100時間 (50万円÷5000円) ・ 営業時間 … 9時 ~ 23時 |
このワークスケジュールは 「 接客側 」 のみ提示しています。表で判る通り、総労働時間を48時間で組んでいます。「 接客側 」 だけですので、これに 「 調理側 」 を加えたものが、この日のワークスケジュールになります。「 調理側 」 は52時間使えるということになります。
表中の A・B・C …は、パート/アルバイト個人を示します。つまり、10人のパート/アルバイトスタッフと1名の社員で、この日の 「 接客側 」 を営業することになります。「 作○(1~12の数字) 」 は接客サービス以外の作業種類を、「 接 」 は接客作業を示します。「 作○ 」 の中身は、「 駐車場清掃 」 「 トイレ掃除 」 「 調味料の補充 」 「 ガラス拭き 」 「 床清掃 」 等の具体的な作業を表わしています。また、「 接 」 にもポジションや担当エリアが入ります。
ワークスケジュール表の勤務パターンと、下部に記入されている 「 時間別客数計画 」 を見比べてください。階段状にスタッフが出勤してきて、かつ客数の増減に従って、投入時間は変化していきます。同時刻に複数のスタッフが出勤したり、退勤するのを極力避けています。理由は、スタッフの入れ替え時は、オペレーションの混乱のもとになるからです。さらに、パート/アルバイトスタッフはすべて「勤務時間 4時間」で組んでいます。4時間ですから、途中休憩は与えていません。連続作業で力を発揮してくれるのは、4時間が最適という判断をしているからです。前章で触れた 「 社会保険加入 」 の件においても、一日4時間であれば、加入条件の一つの目安である週20時間以上を、週5日勤務しても下回ることになります。もちろん、社会保険加入希望者に対しては、もう少し長い時間の勤務形態になります。
また、ここでは記入していませんが、名前横の 「 イン 」 「 担当 」 「 アウト 」 は、主担当ポジション、「 入り作業 」 「 上がり作業 」 を記入する欄です。「 入り作業 」 とは、入店する前に 「 外回りのチェックをする 」 や 「 定位置の確認 」 などで、「 上がり作業 」 は 「 ゴミ出し 」 や 「 トイレチェック 」 等の作業が入ります。定例の作業割り当て以外に、このような簡単な確認作業をスケジュールに盛り込むと格段に店舗の管理レベルが向上します。
この日の営業が終了したら、実績部分を記入してください。ワークスケジュールに差異が生じた原因や状況が、後から確認できることで、さらに精度を向上させる事ができるでしょう。
前回ワークスケジュール(1)で述べた、「 ワークスケジュールの目的 」 を再確認してください。この表ひとつで、店舗マネジメントに関わる作業が網羅され、かつ目標生産性をクリアするスケジューリングになります。
1) | ワークスケジュールは、「お客様」主体で作成するもの。従って「客数予測」が基本となる。 |
2) | まず、「作業計画」から組み、「氏名」は最後に入れること。「人」に作業が付くのではなく、やるべき作業に「人」を付けるという考え方である。 |
3) | 飲食店の営業は、刻々と状況が変化するもの。ワークスケジュールに記載された「作業計画」は、お客様の動向によって「変更」をしなくてはならないケースも発生する。その指示は、店長及びその時間帯の責任者によってのみ実行される。これは、一般の「役割分担」とはまったく異なる考え方である。常に変化するお客様の状況を確認しながら、「作業予測」をして、「満足度」(QSC)を確認しながら、「目標達成」させるという飲食店独特のマネジメント力が必要となるのである。 |
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