外食ドットビズ

第九章 店舗運営ノウハウ Part1

速習 起業リファレンス

外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。

第5回 スタッフの募集 ~ 面接から採用まで(2)


第九章 店舗運営ノウハウ Part1
 

 第5回
 スタッフの募集 ~ 面接から採用まで(2) ~

スタッフ採用面接のポイント

飲食店にとって、パート/アルバイトは重要な戦力です。飲食店の経営構造では、食材原価と人件費がコストの大部分を占めます。一般的な企業の会計原則では、人件費は 「 固定費 」 科目であるのに対して、飲食店では 「 変動費 」 で計上します。つまり、売上(客数)の変動に対して、人件費もコントロールしていかなくてはなりません。これを達成するには 「 ワークスケジューリング(次章で解説) 」 という、店長の重要なマネジメント技術が必要となります。

飲食店では、季節・曜日・天候、もしくは一日の時間帯によって大きく客数が変動します。お客様の多い時には、多くのスタッフによって対応しなくてはなりませんが、少ない時はスタッフの人数も減らさなくてはなりません。スタッフが正社員ばかりでは、それぞれの勤務時間が長いため、お客様が少ない時でも無駄な人件費が発生してしまいます。その無駄をコントロールするために、パート/アルバイトを活用して、お客様の来店動向に合わせたスケジューリングをする必要があるのです。

忘れてはならないのは、このパート/アルバイトの作業レベルが、そのままお店の評価になるということです。店長の教育・訓練スキルが重要なのはいうまでもありませんが、パート/アルバイトの方たちの資質やモチベーションも店の運営を大きく左右します。

採用をする前に、以上の事を再確認してから面接に臨みましょう。ただ残念なことに、飲食店の経営者は、「 10人採用すれば3人位は残ってくれる 」 「 ダメだったら切ってしまえばいい 」 と考えている人が多いようです。これは大手チェーンストアも同様です。いつまでも、このような考えをしていると、多額な費用をかけて募集しても人が集まらず、店舗運営そのものに支障が出てきます。

人が集まらないからといって、採用の妥協点を落とすこともしてはなりません。パート/アルバイトであっても、あなたと共にお客様に接していくのですから 「 共同経営者 」 を採用するつもりで面接しましょう。

面接時のポイントは次の通りです。

 

「面接表」を用意して記入してもらう
この面接表は履歴書代わりに使います。仮に不採用であっても一年間は保存すること。
雛形:面接表

店のコンセプトや起業の想い、求める「人材像」、仕事の内容を語る
基本的な要件は、「 飲食店ビジネスに興味があること 」 「 仕事を覚えようとする意欲があること 」 「 指示に従ってもらうこと 」 の3つ。

身だしなみ、挨拶等、社会的なルールが遵守できるか
基準を外れた身だしなみについては直すことが条件で、普通の挨拶ができないような人の採用は難しいでしょう。店の運営はチームワークですから、勝手な行動は、全体の秩序を乱すことになります。「 電車の事故で勤務時間に間に合わない。あなたはどうしますか? 」 「 お客様側の不注意で料理を床にこぼしました。どうしますか? 」 といった質問を投げかけてみるのも有効な方法。

ひと通りの説明が終了したら、個性を見るために聞き役に徹する。
応募者は緊張しているので、普段の顔が見えづらいもの。「 趣味 」 等の会話の中で、個性を引き出しましょう。特に 「 笑顔 」 は重要です。敬語を使えるかも要チェック。


面接表に書いてもらった曜日別の勤務可能時間は、スケジューリングする時に守らなくてはなりませんが、すべてを保証するものでは無いことを予め伝えておきましょう。スケジュールは、2~3週間前には提示することを約束し、売上によって勤務時間も変動することを伝えます。多く働きたかったら、早く自分の右腕になってくれる努力をしてもらいましょう。

前述した通り、応募状況が悪くてもあなたの基準を下回る人の採用は厳禁です。また、どのような状況であっても、「 主・従 」 の関係をはっきりさせておきましょう。飲食店の主は当然 “ お客様 ” ですが、店舗運営組織の観点で見れば “ 店長 ” です。優秀なアルバイトでも、年上のスタッフであっても、店長を主とした組織構造を崩してはなりません。


 

坂尻先生の実践アドバイス!
「それを聞いちゃあおしめぇよ!?」面接のタブーな質問

 
パート/アルバイトに応募してくる方は、飲食店の仕事が好きだという方が大半だが、基本的には 「 お金を稼ぎたい人々 」 。面接にありがちだが、「 給料はいくらぐらい期待しますか? 」 「 最低何時間働きたいですか? 」 といった質問はタブー。あらぬ期待を抱かせることになり、後々トラブルになることが多いのである。
 

 

 


 
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外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志
外食ドットビズ編集部

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。
 

第一章 起業をめざして… 心構えはOK?
第二章 店舗コンセプトの決定 ~そもそも、何がやりたいのか?~
第三章 出店地と物件の決定 ~まずは足で探そう!~
第四章 店舗設計と各種申請手続き ~イメージを具体化しよう!~
第五章 メニューをつくろう Part1
第六章 メニューをつくろう Part2
第七章 飲食店のサービスとは Part1
第八章 飲食店のサービスとは Part2

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