外食ドットビズ

第九章 店舗運営ノウハウ Part1

速習 起業リファレンス

外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。

第2回 飲食店のマニュアルとは(2)


第九章 店舗運営ノウハウ Part1
 

 第2回
 飲食店のマニュアルとは(2)

飲食店のマニュアルにはどのようなものがあるのか、前回の飲食店の仕事分類に沿って、代表的なものを列記してみましょう。

厨房/キッチンに関するもの

      ・ 調理マニュアル
      ・ スタンバイ品調理マニュアル
      ・ 食材管理マニュアル
      ・ 食材発注マニュアル
      ・ 厨房内清掃マニュアル
      ・ 調理器具洗浄マニュアル
      ・ 厨房機器点検マニュアル
      ・ 衛生管理マニュアル

フロア/ホールに関するもの

      ・ 身だしなみチェック表
      ・ 接客/サービスマニュアル
      ・ 苦情処理マニュアル
      ・ 備品/消耗品発注マニュアル
      ・ 店内清掃マニュアル
      ・ 現金管理マニュアル

店舗施設維持に関するもの

      ・ 駐車場/天外清掃マニュアル
      ・ 設備機器点検マニュアル
      ・ 緊急事態対応マニュアル

上記以外にも共通マニュアルとして、「 教育マニュアル 」 「 健康管理マニュアル 」 「 定位置管理マニュアル 」 等も必要でしょう。一見すると、その量は膨大なものになるかもしれませんが、いずれも、その場で働くスタッフたちの作業として、全員共通もしくは何人かで共有しなくてはならないのです。

中には、発注業務のように、店長の責任において行なわれる作業もありますが、これもきちんとマニュアル化すべきです。もし、店長に何かアクシデントが起こったら、その時点で店舗運営ができなくなり、多くのお客様やスタッフ、取引先に多大な迷惑をかけることになります。

しかし、起業したての段階ですべてを網羅することは不可能です。その優先順位の判断基準は、Q(品質) S(サービス) C(クレンリネス)です。つまり、「 調理マニュアル 」 「 サービスマニュアル 」 「 清掃関連マニュアル 」 となるでしょう。

マニュアル作成のポイント

前回、マニュアルを 「 作業の基準書・手順書・指示書 」 と定義しました。基準も手順もすべて “ ブレ ” がなく明確でなければなりません。例えば、使う言葉としての悪い例は、「 きれいにする 」 「 できる限り早く 」 「 テキパキと 」 「 丁寧に 」 等々です。これらの言葉は、何となくはわかるものの、それぞれの実行基準が不明確です。ある人から見れば、「 きれい 」 かも知れませんが、別の人から見れば 「 きたない 」 のかもしれません。5分が早いか遅いかも人によって変わるでしょう。「 ちゃんとチェックしましょう 」 という表現も、チェックリストが無ければ判断にブレが生じてしまいます。

マニュアル化するということは、誰が担当しても、最低限は同じレベルになる状態を作り出すことが目的です。サービススタイルを重視するような業態であっても、「 サービスマニュアル 」 は必須です。「 サービスマニュアル 」 には、身だしなみ基準、やってはいけないことを明確にしておきましょう。

速習!起業リファレンス「 個性 」 や 「 独自性 」 はマニュアルを守ることが前提になります。サービス精神が豊富で、会話も楽しいスタッフがいたとしても、そのユニフォームに料理のシミがあったり、悪臭を放っていては、サービスマンとして失格です。美しい長い髪やかわいいアクセサリー類も料理に触れてしまえば、その時点で汚染原因となります。こういったことは、マニュアル無しには統一できません。人それぞれの基準に任せていては、お客様に不快感を与えるだけでなく、食中毒の危険にさらす可能性もあるのです。

また、「 清掃マニュアル 」 のような作業マニュアルは、「 作業目的 」 「 使う道具 」 「 作業遂行時間(標準時間) 」 「 目指す状態 」 で構成されます。これもまたそれぞれの項目には曖昧な表現をしてはいけません。さらに、ここでいう 「 標準時間 」 は、その作業を実施するための目標時間であり、その決め方は平均ではなく、「 一番速い時間 」 です。最も優れたやり方を基準にして、初めて個人の作業の問題点や課題が発見できるのです。平均を目標にしていては、いつまで経っても最良の方法は発見できません。
 

坂尻先生の実践アドバイス!
マニュアル化とはお客様を裏切らないこと

 
何度も言うようだが、飲食店の運営には多くのスタッフの力が必要となる。しかし、そのスタッフたち、特にパートやアルバイトは、卒業・結婚・出産・引っ越し等々で、絶えず変わっていくのが飲食店の宿命となる。マニュアル化は、飲食店でなされるべき作業を、誰がやっても同じレベル・同じ状態にして、「 標準化 」 することが目的である。これは、店舗の都合ではなく、「 お客様を裏切らない 」 という気持ちが前提になることを忘れないでほしい。
 

 

 


 
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外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志
外食ドットビズ編集部

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。
 

第一章 起業をめざして… 心構えはOK?
第二章 店舗コンセプトの決定 ~そもそも、何がやりたいのか?~
第三章 出店地と物件の決定 ~まずは足で探そう!~
第四章 店舗設計と各種申請手続き ~イメージを具体化しよう!~
第五章 メニューをつくろう Part1
第六章 メニューをつくろう Part2
第七章 飲食店のサービスとは Part1
第八章 飲食店のサービスとは Part2

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