第6回
飲食店のリスク
前回まで述べてきたクレームの例は、ほんの一握りですが、クレームだけではなく、飲食店にはさまざまなリスクが伴います。リスクとは「危険性」「脅威」という意味で、それが現実のものになると、経営上もしくは店の運営上、大きな損害を被ることをいいます。これらのリスクに対して、普段から対策を打ち、事前に危険を回避したり、仮に発生しても被害を最小限度に食い止める機能をリスクマネジメントといいます。
クレームも大きなリスクのひとつですが、それ以外に飲食店ではどのようなリスクがあるか考えて見ましょう。代表的な例を幾つか列記しておきます。

1.天災(地震・台風・雷・洪水など)
・店の存在そのものの危機
・人命に関わる危険性大
・食材調達経路、労働力の喪失
2.人及び食材に関する病気の蔓延
・客数、労働力の減少
・食材調達先の変更、メニューの改廃
3.盗難/強盗などの外部侵入
・お客様、従業員への危機
・資産の喪失
4.マーケットやトレンドの変化/競合店の進出
・売上/客数の変化
・経営計画/政策の再構築

1.食品管理/衛生管理の低下
・食中毒等によるお客様の危機
・営業停止等の経営危機
2.労務管理の低下
・従業員の危機
・雇用機会の喪失、店舗の悪評
3.従業員による不正
・資産の喪失
・犯罪者を生み出す/店舗の悪評
4.教育レベルの低下
・経営構造の悪化
・モチベーションの低下、客数の減少


外的リスクはいつ発生するか不明だが、こと気象に関しては天気予報などで予め知ることができる。その他のリスクについても、関連する情報はあるはず。日々の行動の中で、常にこれらのリスクを意識して、アンテナを張ることを習慣付けておこう。内的リスクも同様で、管理体制やチェック体制が不備だと気が付かないうちに危機に直面することがある。想定しうるリスクを挙げ、それぞれの最悪の事態を前提とした 「 マニュアルづくり 」 「 ルールづくり 」 を行って、それらがきちんと守られているかチェック体制も整備しておこう。リスクに強い組織づくりこそ、繁盛店への第一歩となるのである。
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