外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。
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第7回
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お客様から目を離さない |
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作業はテーブルから外れて |
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追加オーダーのチャンス |
「 中間サービス 」 の質は、全体のサービスの質を向上させます。お客様はしてほしい事があると、何かしらサインを出します。これを見逃さないことです。逆にそれに気付かないと、不満の要因になります。お客様から言われて、それに対応するのはサービスではありません。
さらに、「 感動を与えるサービス 」 は、お客様からのサインも出ず、要求も無いような場面で、ちょっとした気遣いをすることから生れます。お子様用の料理を提供する時におしぼりを付けるとか、居酒屋等で明らかに誕生日会をしていると分かったら、花を一本添えるとか、皆さんの今までの人生の中で、何か感動したサービスを受けた事があったら、それをお客様にもしてあげましょう。
「 会計 」 は、接客サービスの中で最後に行なうサービスです。従って、ここでお客様の店に対する印象が決まってしまいます。単なる現金の受け渡しだけではないということを理解して下さい。
お客様は会計時に、今まで受けたサービス全体(QSC)の価値と、支払う価格とを比較して、「 高い 」 「 安い 」 を評価します。お客様の満足度は会計時点で決定します。満足度が高いというのは、受けたサービスが、価格を上回った時のみ感じる印象です。また、ちょっとしたミスが重なったり、クレームを発したお客様が、レジでの対応によって、「 好印象 」 に変ったりする事があります。当然その逆もあります。
アメリカやヨーロッパの様なチップ制が当たり前の国々では、始めから最後まで、基本的に一人のスタッフが接客を担当します。従って、接客の質によってチップの額が変ったりもしますので、お客様の評価はストレートにスタッフに伝わる構造になっています。スタッフも、自分がミスをした場合でも、お帰りになる時に、しっかりとお詫びすることで、最後にミスをカバーするチャンスは残されています。
チップの無い日本では、接客を担当したスタッフが、レジをやらないケースの方が多いでしょう。でもどちらの場合でも、お客様への対応には変りません。接客中のミスは、その場で対応するのは当たり前ですが、レジでも再度お詫びしましょう。それを実現させるには、接客担当は常にレジ担当とコミュニケーションを取ることが大切です。特にクレームがあった時は、接客担当は自分で直接レジでお詫びするか、レジ担当に状況を話して、お詫びしてもらうようにしましょう。ポイントはどんな状況であれ、気持ち良く、いい印象を残してお帰り頂くことです。
「 いらっしゃいませ 」 と同様、「 ありがとうございました 」 もスタッフ全員で言いましょう。最後にもうひとつ。いい印象を与えるのは、接客態度だけではありません。レジ周辺の清掃状態と、お客様の視線の中に入る、レジ台もしくはレジ後方の壁にも注意を払ってください。壁には何も貼らないのが一番良いですが、絵やポスターが貼られている時は、曲がっていないか、埃が付いていないか、レジ台周辺に書類類が散乱していないかは、絶えずチェックしましょう。伝票類やメモ書きがセロテープでそこら辺に貼ってある光景を良く目にしますが、こんな状態は論外です。
「 満足されたお客様でも明日来店される保証はない。
満足しなかったお客様は絶対に再来店されない 」
は、飲食ビジネスの原則です。
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