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第七章 飲食店のサービスとは Part1

速習 起業リファレンス

外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。

第4回 接客サービス実践編(1) 「いらっしゃいませ」


第七章 飲食店のサービスとは Part1
 

 第4回
 接客サービス実践編(1) 「いらっしゃいませ」

「いらっしゃいませ」から接客が始まります。前回紹介した基本動作に気を付け、明るく大きな声で言いましょう。その時の心構えは、


  1. 数ある競合店の中から、自分の店を選んでくれたという感謝の気持ち

  2. 楽しく食事をしてもらう為の雰囲気作り

 

この2点です。経営者であるならば、お客様が来店された時の喜びは当たり前ですが、この気持ちはスタッフ全員に徹底させなくてはなりません。この2点の気持ちが素直に表現できない時は、ご案内の担当から外すぐらいの気構えが必要です。

接客サービス実践編(1) 「いらっしゃいませ」また、何度か来店されているお客様や、親しくなったお客様には、「 いつもありがとうございます 」 というような言葉もかけましょう。変に馴れ馴れしくするのはいけませんが、お客様に取っては、何度も来店しているのに、常に決まり切った言葉しかかけられないのは、寂しい気分になります。そのうち段々と足が遠のくでしょう。これは席に着いてからでも同じです。自分の知っているお客様を発見したら、“ さりげなく ” 声をかけましょう。別の作業中で、声をかけられない状況の時は、目線で感謝の気持ちを伝えるのも必要かも知れません。この行動は店長だけでなく、スタッフ全員ができるようにすると、リピーターが増えてきます。スタッフ達に、店の繁盛を願い気持ちが芽生えてきたら、自然と出る行動です。

「 いらっしゃいませ 」 と声をかけたら、席のご案内をしますが、この時のポイントは、連れのお客様にも気を配ることです。特にお年寄りや小さな子供連れの場合は、ご案内する時のスピードはいつもより遅くします。店内に段差がある様な時も注意を促してください。

接客サービス実践編(1) 「いらっしゃいませ」「 いらっしゃいませ 」 の後に、すぐに 「 何名様ですか? 」 と聞くことが多いですが、状況に応じて言葉を変えましょう。明らかにカップルのお客様には 「 2名様でよろしいですか? 」 がいいでしょうし、一人客なら 「 今日はお一人ですか 」 という聞き方でも構いません。人数を確認するのは、そのお客様にとって最適な席にご案内するためです。決して店の客席効率を上げるためではありません。明らかに暇な時間帯に一人で食事に行った時に、テーブル席ではなくカウンターに案内された経験は誰にもあるでしょう。隣との空間を空けたい時に、端から順番に座らせられたこともあるかも知れません。これらは全て 「 店の都合 」 です。客席効率は確かに飲食店の経営では重要なことですが、これは客席設計で解決すべき問題です。少人数のお客様が多い時は、可動式のテーブルを多くするとか、大きな円形テーブルを使うなど方法はいくらでもあります。

「 いらっしゃいませ 」 にはもうひとつ重要なポイントがあります。「 いらっしゃいませ 」 の声が聞こえたら、お客様に向かって全員で声をかけることです。お客様に届く程度の声で充分です。食事中のお客様のかたわらで、大きな声を出すのは好ましくありません。これは 「 お店全員でお客様をお迎えする 」 という意思表示ですが、さらに自分の担当作業の準備をするという、もうひとつの目的もあります。

接客サービス実践編(1) 「いらっしゃいませ」この章の≪第一回目≫に、接客の流れを箇条書きしました。つまり、接客の仕事はお客様が来店されてからスタートします。そして予め、接客の役割分担がされています。これを 「 作業割当 」 といい、サービスの質を高めると同時に、限られた資源(この場合は人件費)を有効に活用させるための、飲食店では欠かすことのできない技術です。

「 作業割当 」 はスタッフ側から見ると、「 今日は○番テーブル~○番テーブルを担当する 」 とか 「 満席時はご案内がメインの仕事 」 という形に落とし込まれます。この 「 作業割当 」 が不明確だと、その場で気がついた仕事しかされず、必然的にサービスの質を低下させます。多くの人数を確保しても、組織だった仕事がされないと接客サービスにヌケやモレを生じ、サービスの遅れやクレームを発生させる原因になってしまいます。つまり、「 いらっしゃいませ 」 と声を出すのは、自分の担当業務を確認し準備するという、大きな目的がそこにあるのです。

 

 


 
 
外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志
外食ドットビズ編集部

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。
 

第一章 起業をめざして… 心構えはOK?
第二章 店舗コンセプトの決定 ~そもそも、何がやりたいのか?~
第三章 出店地と物件の決定 ~まずは足で探そう!~
第四章 店舗設計と各種申請手続き ~イメージを具体化しよう!~
第五章 メニューをつくろう Part1
第六章 メニューをつくろう Part2

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