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第五章 メニューをつくろう Part1

サッポロビールは、起業家の皆さんを応援しています。

第4回 商品を試作してみよう (2)原価について

 

第五章 メニューをつくろう Part1

第4回
商品を試作してみよう (2)

商品を試作してみよう  原価について             
 

調理マニュアルは、年に数回の改編が必要になります。新しい商品を追加したり、今までの商品を撤廃したりする時はもちろん、原価が変更になる時は、マニュアルの変更もきめ細かく実行してください。これを怠ると、正しい経営判断ができなくなります。仕入れ価格は、季節・作柄・相場変動といった要因でかなり変ってきます。特に、生鮮ものについては、時期によって変動幅が大きく、原価計算に狂いが生じやすくなります。

想定している原価をオーバーする原因として、もうひとつ考えておかなくてはならないのが原材料の「歩留り(ぶどまり)」です。食材は、購入したものを全て使用できるわけではありません。ステーキ用の肉であれば、ステーキ用に整形する時に、余分な脂肪やスジを切り落とさなくてはなりません。また、どうしてもステーキにできない部分もあるでしょう。一人前 200gのステーキを提供する場合、1キロの肉から5人前を確保することはできません。20%のロスが発生すると考えれば、250gの肉が必要となるのです。

この「歩留り」を考慮に入れない原価設定をしたり、一定の金額のまま原価計算をしたりすると正しい数値がつかめません。状況変化によって、正確な原価を再計算し、その都度マニュアルの変更を実施するようにしましょう。

 

商品を試作してみよう  標準原価率と実原価率について             
 

これから飲食店を始める皆さんは、原価には「標準原価」と「実原価」があるということを理解しておきましょう。マニュアルで記載したように、商品それぞれに原価が明確になっています。仮に月次の決算をした場合、一ヶ月間に販売された商品の数量によって、売上対原価の比率(原価率)は変化します。
販売実績を元に、正しいオペレーション、食材管理、調理が実施されたとして計算された原価を「標準原価」といい、これの売上構成率が「標準原価率」となります。

標準原価率=(当月メニュー別販売数×想定原価の総計)/当月売上高×100

しかし、実際に会計上に計上される原価計算では、このような計算は行なわれず、棚卸し結果と当月の仕入れ金額によって算出するのが一般的です。つまり、実際の材料の消費によって計算される原価が「実原価」で、これの売上構成率が「実原価率」です。

実原価率=(前月棚卸高+当月仕入高—当月棚卸高)/当月売上高×100

このふたつの原価率には差が出ます。理論的にはかなり近い値になりそうですが、実際には相当な差が出ます。この差を「ロス」といい、ロス退治は、この差をいかに少なくしていくかを焦点とします。次章で「食材ロス」について述べてみます。

坂尻先生の実践アドバイス!
野菜の「歩留り」には特に注意すべし!

 
レタスをサラダに使う場合、キズや汚れがある表面は使い物にならないし、芯の部分も不適格となる。サラダ用レタスを 1人前20gとしたら、100gの丸のままのレタスからは3人前程度しか取れないのが現実だろう。これを100g一個の単価で5人前取れると想定すると、とんでもない原価計算となる。野菜類は、季節や時期によって、その状態が大きく違っていることを頭に叩き込んでおくべし。
 

 

 


 
 
外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志
外食ドットビズ編集部

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。
 

第一章 起業をめざして… 心構えはOK?
第二章 店舗コンセプトの決定 ~そもそも、何がやりたいのか?~
第三章 出店地と物件の決定 ~まずは足で探そう!~
第四章 店舗設計と各種申請手続き ~イメージを具体化しよう!~

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