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第四章 店舗設計と各種申請手続き~イメージを具体化しよう!~

速習 起業リファレンス

外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。

第6回 厨房設計のポイント (2) ~ 厨房設計のトレンドキーワード ~

 

第四章 店舗設計と各種申請手続き ~イメージを具体化しよう!~

第6回
厨房設計のポイント (2) ~ 厨房設計のトレンドキーワード ~

ここでは、厨房設計を行う上で、検討すべき項目を近年のトレンドとなっているキーワードで説明しておきます。

 

外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志  ドライキッチン            
 

絶えず床に水を流していた日本の従来型厨房との対比から生まれた単語で、日本特有のものです。欧米のキッチンは、基本的には営業中に水を流すことはせず、ドライが当たり前なのです。床だけではなく、厨房内を常に乾燥した状態にしておくことは、作業環境・衛生環境の両面から見て重要なポイントとなります。

湿気の多い厨房は、細菌の繁殖が活発になり、食材だけでなく調理道具や食器にまで影響を及ぼします。さらに、調理道具にサビを付けたりもします。ドライキッチン化するには、床をノンスリップ型タイルにするのですが、コーティングするだけでも効果を発揮します。厨房機器が設置された後や開店後の変更には、かなりの費用が発生しますので、初めにキチンと方針を明確にしておきましょう。

 

外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志  排水溝            
 

現在の厨房は、排水溝を設けないのが基本です。排水溝があると、ネズミやゴキブリが侵入して、厨房全体が不衛生になり、食中毒の原因にあることもあります。また、排水溝から悪臭が逆流することもあり、厨房環境が著しく悪化してしまいます。さらには、排水を良くするために、どうしても床に傾斜をつけることになりますが、立ち仕事が基本の従業員の作業性を悪くすることもあります。もし、従来型厨房を使用せざるを得ない時は、清掃排水用の口を一ヶ所にして、穴のない蓋で完全に塞ぎましょう。

なお、日々の清掃は、専用の洗剤とモップ、バキュームクリーナー等で行ないます。

 

外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志  空調設計            
 

厨房には、グリル、フライヤー、レンジ等多くの「発熱機器」があります。これらの機器によって燃焼された空気が、厨房内の温度を上昇させます。厨房内に窓があると、そこからの日射熱でも温度は上昇して、厨房環境を悪化させます。夏場で空気の流れが悪い場所では、 50℃を超える場合もあり、従業員の作業負荷は計り知れません。

熱い空気、汚れた空気を排気すると、その分新鮮な空気が導入されます。これらの給排気バランスは、一定レベルで保たなくてはなりませんが、このバランスが崩れると、従業員だけでなく、お客様にも迷惑を掛けてしまいます。入口のドアを開けると、必要以上に外気が流れ込んでくるケースを経験されたことがあると思います。これは空調バランスが悪い証拠なのです。

空調設計はプロの領域になるかもしれませんが、設計者と充分に検討して、納得するまで確認しましょう。また、メンテナンス性と日々の手入れ方法も、空調機器の管理には重要なポイントです。日々の点検・手入れを怠ると、故障発生率が高くなり、無駄な経費が掛かってしまいます。

 

外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志  電化厨房            
 

厨房内の環境改善、空調機等の設備投資の軽減、調理作業の簡便化等を目的として、最近は「電化厨房」への期待が高まっています。場所によっては、電化厨房が出店の条件になることもあります。電化機器は炎を出さないので、煙やススも出ず、油分の拡散も防げます。調理機器の清掃も比較的簡単ですので、厨房内の作業改善には大きな効果を発揮します。ただ、条件によっては、まだまだ設備コストやランニングコストが掛かる場合もありますので、メニューや調理方法・人件費等のコストを含め、メリット・デメリットを洗い出して検討しましょう。

 

坂尻先生の実践アドバイス!
厨房機器は欲張り厳禁!

 
厨房機器を検討する上で大切なのは、あれもこれもと欲張らないこと。どうしても機能の優秀さを追ってしまい、現実の店舗運営からかけ離れたものを導入するケースも多い。一日 50個作れば間に合うのに、一度に100個作れる機器を導入してしまうのは、作業面・コスト面で大きな負担になってしまう。 メニューが消費者の好みや時代の流れによって変化すれば、厨房自体も変化させなくてはならない。先々の経営を見据え、入れ替えや拡張を前提とした厨房設計がポイントになるのだ。

 

 

 


 
外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志
外食ドットビズ編集部

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。
 

第一章 起業をめざして… 心構えはOK?
第二章 店舗コンセプトの決定 ~そもそも、何がやりたいのか?~
第三章 出店地と物件の決定 ~まずは足で探そう!~

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