外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。
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第3回
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単に「何屋をなりたい」というだけでなく、メニューの種類、販売量目安、サービススタイルについて具体的にしておこう。客席設計や厨房設計の重要なキーポイントとなるのです。もし自分のイメージと合致する既存店があるのなら、リストアップしておくといいでしょう。 |
内外装を決定する要因で重要なのは、「どういう時に利用される店なのか」ということで、これは、出店地を決定する時の重要な要素でもあります。お客様の入店比率を高めるには、店舗外装と看板の位置は大切。内装やメニュー・サービスは、入店しない限り、アピールすることはできません。その外観から、店のトータルなサービスが想像できるような店にしたいところです。 |
これは、最も重要な確認事項。事業計画の作成段階で予測された数値をもう一度確認してみましょう。初めての店づくりでは、とかく売上予測は期待値を込めて甘くなり、経費予測は経験の無さから、少なめになってしまいます。この段階で計画書を再確認し、厳しい状況下での投資額を明確にしましょう。 |
これら 3項目を軸に、設計業者と綿密な打合せをしていきましょう。ここでの検討が甘いと、設計途中で大きな変更が発生したり、予算そのものに狂いが生じたりしてしまいます。工事途中の仕様変更は避けなくてはなりません。皆さんの想いを設計業者と共有することが成功への第一歩となるのです。
設計業者との打合せイメージが具体化できたら、施工業者を決めましょう。少なくとも 3社程度からは相見積りを取って、比較検討します。選択のポイントは、見積書が具体的になっていることが原則です。「内装一式○○円」とか、品名・単価・数量が不明確な見積りは好ましくありません。また、施工全般の工事担当者や管理者を自社で抱えているところを選ぶようにしましょう。さらに、高額の費用が発生する厨房機器や空調機器については、メーカーや販売店と太いパイプを持っていればベストです。それぞれの会社での過去の飲食店工事実績等を参考にしてください。大まかな打合せだけをして、後の工事は下請会社に丸投げしてしまうところも多く、これも失敗の原因となります。
設計・施工の契約締結時には、次の事項について明確にしておきましょう。
少しでもオーバーしそうな事態になったら、事前に発注者と受注者間で対策を協議する。発注者の判断無しに勝手に進めさせないことが重要。 |
特に食材や備品の格納スペース、基本的な厨房・客席スペースの取り方など、設計段階当初のミスが工事期間中に顕在化することがあるので注意。 |
当然のことですが、工事遅れや進捗管理ミスによって引き渡しが延びることがあります。また、引渡し日での完成度が低く、開店日に影響が出ることもあります。そういった時の営業保障など細かな取り決めは必須。 |
施工業者が決定したら、施工管理は設計者と協力して行いましょう。共通の工程表を基にした「日々の進捗管理」が原則です。この時期は、起業を目指す人には、開店準備の作業が山のように発生して、工事現場を施工業者に任せっきりになりがちですが、できる限り足を運ぶようにしましょう。工事に遅れはないか、問題は発生していないか確認できる場所は、現場でしかありません。また、現場の方達との良好な関係も築けます。細かな確認作業が進捗管理には一番大切なのです。
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