外食ドットビズ

第三章 出店地と物件の決定~まずは足で探そう!~

速習 起業リファレンス

外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。

第4回 候補物件調査のポイント ~ とにかく歩こう! ~

第4回   候補物件調査のポイント ~ とにかく歩こう! ~

あなたの手元の地図に、候補物件の場所と商圏の目安は書かれていますか?書き込んであれば、次はその商圏をくまなく歩いてみましょう。ただ漫然と歩くのではなく、街の性格をしっかりつかむことが大切です。東西南北の方向はもちろん、平日・土曜・日祭日ごとに歩き、そして想定する営業時間すべてについてヌケやモレのないようにしなくてはなりません。

商圏内を歩くことによって、川や線路や大きな道路が通行を遮断していたり、意外な近道を発見したりします。また、人気のある商業施設があれば、そこを起点として人の動きも活発化されているでしょう。商圏の特性が把握できたら、人の流れを調査します。カウンターを持って、1時間ごとの通行量をきちんとメモしておきましょう。その時、歩行者の年齢・性別・職業等の属性も確認しておきましょう。この人達がお客様になるのですが、自分のイメージした顧客層でしょうか?自分の店に来店されるイメージが沸くでしょうか?

もし、車のお客様がターゲットであれば、同様に車種とナンバーも要チェックです。できたら、1台あたりの乗車人数も見ておきましょう。反対車線から入りやすいか、視認性はいいか、看板の位置はどうか等も確認しておかなくてはなりません。

その次は、役所や図書館に行ってデータを収集します。以下のデータには、必ず眼を通しましょう。
 

坂尻ポイント      国勢調査データ      

        人口構成 ( 男女比率 ・ 世帯数 ・ 年齢別構成 ・ 配偶関係 等)


坂尻ポイント      商業統計データ      

        業態別事業所数、従業員数、販売統計、販売効率 等


公的なデータは、刊行物だけでなくインターネットからも収集できます。少し高価ですが、GIS ( Geographic Information System ) ソフトの活用も有効でしょう。これは、全国どの地点であっても、指定したエリアの各種統計データを入手することができるというものです。これらの数字から、地域の状況はさらに具体的に見えてくるでしょう。いま一度、イメージデザインと照らし合わせてください。

歩くことによって商圏の特性が把握でき、統計データによって商圏の特性がつかめました。しかし、商圏規模が大きければ、ターゲット顧客層が多ければ、必ず売れる店ができるという訳ではありません。逆に、それらの数字が想定以下だから、売れないというわけでもありません。≪ 第一章 第1回 : 飲食業ってなんだろう!? ≫で述べたように、お客様にとっての店の価値は「 QSC 」で決まります。「いい商品(料理)を、いいサービスで、気持ちの良い雰囲気で」という意味です。これは、基本中の基本ですから決して忘れてはいけません。さらに、「売れる店」の要素として、「利用動機」を掘り起こすことがポイントです。

近年の外食の利用動機は、「自分のライフスタイルと合致する」という要因が、きわめて重要視されています。統計数値に現れる、各種カテゴリー別(年齢別とか性別、年収別)のデータは、重要な数値であることは確かですが、「生き方」や「暮らし方」というカテゴリーは数値に出てきません。つまり、「お金は無いけど、多少高くても健康的な商品を積極的にとる」「質より価格・量が優先する」「環境に気を配った店に行きたい」といったようなデータです。前回書きましたイメージデザインの「 TPO 」がこれにあたります。お客様は何を求めているか? この観点で商圏内の競合店調査を実施するのが、次のステップとなります。


坂尻先生の実践アドバイス!
実例に学び、イメージを膨らませる!

 
自分のイメージする店を磨き上げるには、似たようなコンセプトを持った他店を徹底的に見て学ぶことが大切。人気店の情報は、グルメ系の刊行物やサイトで簡単に見つかるので、いわゆる“トレンドの店”に行き、「なぜこの店が人気あるのか?」「お客様は何を求めてここに来ているのか?」をチェックすることが重要になる!
 

 

 


外食ドットビズ編集部

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。

第一章 起業をめざして…心構えはOK?
第二章 店舗コンセプトの決定 ~そもそも、何がやりたいのか?~

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