外食ドットビズ

第二章 店舗コンセプトの決定~そもそも、何がやりたいのか?~

速習 起業リファレンス

外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え 起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。

第5回 事業計画書を作ろう!~ その3 ・ FLコストと損益計算書 ~

第5回 事業計画書を作ろう!
       その3 ・ FLコストと損益計算書

飲食店の経営では、2大コストの「食材原価率」と「人件費率」を、どのように設計・コントロールし、いかに適正数値を達成させるかが重要なテーマとなります。ちなみに、「率」というのは、売上に対する構成比のことです。

適正な比率は、その業態によって異なります。よく原価率は 30%とか、人件費率は25%といわれますが、これらはあくまで平均的な目安で、目標に掲げてしまうと狂いが生じることもあります。例えば、低価格帯の業態であるFF(ファスト・フード)やカフェ、開店寿司等は、概ね原価率は30%後半から40%前半、人件費20%前後が目安となります。また、客単価800円から2000円位までのFR(ファミリーレストラン)や低価格居酒屋で、原価率30%前後、人件費率20%後半。高価格帯の個室系居酒屋やカジュアルレストラン、ディナーハウス型レストランで、原価率は20%前後、人件費率で30縲鰀35%程が目安といわれています。

では、この2大コストはどのように設計すればいいのでしょうか。外食産業の世界では、経営指標のひとつとして「 FLコスト」という見方をするのが一般的です。業態差で変化する原価(Food Cost)と人件費(Labor Cost)の頭文字をとり、この合計コストが売上の何%を占めているかという指標です。この見方をすれば、業態差が無くなり、経営状態を現わす指標として生きてくるのです。

目標設定としては、 55%をひとつの基準値として考えましょう。60%を超えると利益が出にくくなり、65%を超えると概ね赤字経営になるといわれています。


坂尻先生のワンポイントアドバイス

低すぎるFLコストも大問題!
FLコストは抑えればOKというものではない。低過ぎるFLコストは、労働過負荷の状況になっていないか? お客様の支払う対価として妥当なメニューかどうか? サービスの質の低下を招いていないか? といった要因が考えられる。これらの要因は、お客様の満足度低下に直結する結果となってしまうので、即刻改善すべき課題である。
FLコストの概念が理解できたら、モデルとなる「損益計算書」(P/L:Profit and Loss Statement)を作成してみましょう。損益計算書は、財務諸表のひとつであり、一定期間の「売上」「費用」「収益」を表したものです。実際の店舗運営やマネジメントで使用される損益計算書は、管理会計をベースにしたものにすべきで、一般的な財務会計の基準では役に立ちません。

○管理会計…企業内部の経営管理、問題発見、改善、組織統制等、意思決定に役立つ会計
○財務会計…企業外部への報告を目的とし、会計基準や関連法規に沿って実施される

損益計算書は、基本的に、1) 売上高、 2) 食材原価、 3) 粗利益高、 4) 変動費(人件費+販売管理費)、 5) 固定費(減価償却費、賃料等)、 6) 利益(営業利益・経常利益、純利益)を明確にすることが目的です。変動費は、店舗の努力によってコストコントロール可能な項目で構成されるもの、固定費は額が決まっていて、売上の大小に左右されない項目群という分類です。
損益計算書のフォーマット設計は非常に重要で、かつ店舗マネジメントの基本です。企業によっては、月単位でなく、週単位(ウィークリーマネジメント)や日単位(ディリ -マネジメント)に取り組んでいるところもありますが、現段階では事業計画書作成が目的であるので、一般的な月別損益計算書の形式で作成するのが好ましいでしょう。
 


外食ドットビズ編集部

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。

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