外食ドットビズ

第二章 店舗コンセプトの決定~そもそも、何がやりたいのか?~

速習 起業リファレンス

外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え 起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。

第2回 業態の特性をつかんでおこう

第2回 業態の特性をつかんでおこう

お客様が店を選ぶ時のポイントは何でしょうか。いろいろなケースが考えられますが、共通しているのは「価格」です。そして、この価格(予算)は、お客様の「来店動機」で決まります。ランチであれば仕事場近くで 500~800円とか、仲間で飲みにいく時は3000円前後、それも頻度が高ければ2000円位。記念日には奮発して1万円まではいいかなといった具合に、お客様のTPOによって変化します。

お客様は、「来店動機」によって予算が決まり、それに見合う条件の中で業態を選択するというのが一般的ではないでしょうか。従って、飲食店側から見れば、「同一客単価帯」の店はすべて競合店ということになります。競合店が同じ地域の中にあれば、その中で「選ばれる店」にならなくてはいけません。来店動機・客単価に加え、お客様の来店動機を満足させるオペレーション、店のつくり、 BGM、サービススタイルなどあらゆる要素を盛り込んだ形をお店の「フォーマット」といいます。店がお客様に支持されるかどうかは、この「フォーマットづくり」で決まります。

先程、“同じ地域の中で”と記述しておきましたが、ここで「商圏」(Trading Area)と業態の関連についても触れておきます。「商圏」は、業種によって考え方が異なり、具体的な定義はありませんが、飲食店の場合は、その店舗に来店されるお客様のほとんど(8割以上)が居住する、または勤務している場所のことをいいます。つまり自分のお客様がどこから来店されているかを調査し、それを東西南北あらゆる地点をプロットしてできた図が、その店の「商圏」となります。当然その商圏の形は四角や円形にはなりません。山・川といった地形によって変化し、道路や線路や踏切でも影響を受けます。

次に、商圏内のお客様が、来店されるのにどのくらい「時間」を費やしているかを見ます。 5縲鰀10分以内であれば「小商圏」、60分以上なら「大商圏」という言い方をします。そしてこの商圏規模は、業態によってほぼ決定します。例えば、マクドナルドへ行くのに電車で1時間も掛ける人はまずいないでしょう。逆に、歩いて5分の所に、客単価2万円の会席料理店があったとしても、月に一度も行かないでしょう。ヘタをすると一生行かないかも知れません。

つまり、

客単価が低い業態は小商圏フォーマット
客単価が高い業態は大商圏フォーマット
となります。
 
また、別の観点でいえば

 
小商圏フォーマットの業態は、お客様の来店頻度が高く、来店動機は限りなく日常シーンの中にある

 
大商圏フォーマットの業態は、お客様の来店頻度が低く、来店動機は非日常(ハレの場)での利用
といえるでしょう。

 

坂尻先生のワンポイントアドバイス

フォーマットづくりこそ、事業計画書や最適な出店立地の基礎になる!
フォーマットづくりとは、
1) 業態を決定して、
2) 商品群と客単価を想定して、
3) お客様の来店動機(ストーリー)をイメージして、
4) いかにお客様に満足感を与えるか、
5) 競合店との差別化要因は何かをきちんと描いてみること。
これを具体的な数値やデータに置き換えたものこそ「事業計画書」となり、最適な出店立地を見つけるベースになるのである。
 


外食ドットビズ編集部

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。

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