外食ドットビズ

第二章 店舗コンセプトの決定~そもそも、何がやりたいのか?~

速習 起業リファレンス

外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え 起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。

第1回 業態を決めよう

第1回 業態を決めよう

漠然と「飲食店でもやりたいなぁ」という方は別にして、起業家の皆さんの頭の中には、既にお店のイメージができあがっているでしょう。しかし、ひとくちに飲食店といっても、その業態は数限りなくあります。例えば、“居酒屋”だけでも、客単価(一人のお客様の平均支払高)によって高・中・低価格帯と分けられますし、提供するメニューを見ても、和・洋・中だけでなく、各国の料理や色々な要素を取り入れた創作料理もあります。居酒屋以外でも、喫茶店やカフェの様な形態も、ファミリーレストランの様なテーブルサービスのレストランでも、価格帯と提供される商品によって細かく分けられます。また、ラーメン、うどん、そば、コーヒー、カレー、寿司といった限りなく単品に近い販売形態も昔から存在し、お客様に利用されているほか、今までに存在しない新たな業態の提案も活発に生み出されているのです。

しかし「何屋さんをやるか」を決定するだけでは、商売は必ず失敗するといわれています。皆さんの頭の中では、料理だけでなく、価格帯・サービススタイル・内外装・調度品やスタッフのユニフォーム・食器・ホームページのイメージまで、具体的にイメージされているかもしれません。それぞれをさらに具体化していくことは重要ですが、その前に、イメージと近い他店を徹底的に見て回りましょう。これは業態を決定する上で最も大切な行動ですから必ず実施し、できるだけ数多くの店舗を見るようにしましょう。皆さんが見た店舗こそ競争相手となり、少なくとも、それらの店より「強い何か」がなければお客様は自分の店を利用されないと意識することが必要なのです。

店をチェックすることを「ストア・コンパリゾン」(Store Comparison)といい、飲食店の経営の中では、最も重要な業務(技術)といっても過言ではありません。飲食店の世界で成功した企業では、新人から経営層まで責務として定着している傾向があります。ストア・コンパリゾンの目的は、「自社の問題発見とその課題の解決策を見つけること」です。具体的な店舗イメージができあがっていれば、今までの利用者の「眼」とは違った発見ができるでしょう。競合店ばかりでなく、話題の店や新しい業態の店も積極的にチェックするようにしましょう。

坂尻先生のワンポイントアドバイス

ストア・コンパリゾンは、「問題意識」を持って!!
ストア・コンパリゾンは、ただ店舗を見るだけでは意味はない。外食チェーンの新人研修でストア・コンパリゾンのレポートを書いてもらうと、「店が汚い」「サービスが悪い」「まずい」「高い」から始まり、「通風孔の埃が気になった」「テーブルの広さがどうの…」など、よくここまで見ているなと思わせる詳細な“批判レポート”になる。しかし、飲食店オーナーや経営者と同じ店舗を見ると、批判が出る一方、いい部分も湯水のごとくに出てくる。この差は一体どこにあるのだろうか。ひとことで言うと、「問題意識・課題を持っているか、いないか」の差であろう。
新人たちはまだ素人の域を脱していない。経営課題はもちろん、自分の役割すら不明確だろう。そういう状態で店舗を見ても、目先の問題しか見えないので、批判が出てくるのは当然。オーナーや経営者、部長クラスの業務責任者には課題が明確にある。「課題解決」という根底でストア・コンパリゾンをするから、新しい発見も豊富に見つけられるのである。
   


外食ドットビズ編集部

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。

ページのトップへ戻る