第一章 起業をめざして…心構えはOK?
外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え 起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。
第6回 ラフスケジュールを考えよう
■ 開店までの流れ
開店までにやるべき仕事は山ほどあります。その大まかな流れを紹介しますので、自分なりのタイムスケジュールを考えてみましょう。それぞれの項目でやるべき作業や詳細については順次紹介していきます。なお、官公庁や関連機関への申請や事務手続きについても各工程の詳細で記述します。

- 店舗イメージの具体化
- 業態の決定
- 商品
- サービススタイルの具体化
- 内外装のイメージ作り
- ターゲットとなる来店顧客の利用動機のイメージ化
- 他店との差別化要因の洗い出し

- 人口、世帯数、年代、交通量、通行量などから出店候補地の特性を掴む。
- 自店の商圏内の競合となる店舗(外食だけでなく、スーパーやコンビニなど中食も含む)を調査し、店舗コンセプトとの適合性を確認する。
- 特定競合店に関しては、メニュー、客単価、QSCの状態、営業方針を点検。この情報を自店の売上予測の材料にする。
- 物件の契約は、賃料、保証金、給排水の状態、地域開発計画などを考慮して決定。

- 店名、営業時間の具体化
- 第一次メニュー決定で、主力商品を明確にする。※メニュー決定は、厨房設計や備品・食器の調達に影響します。
- 内外装の具体化 ※設計施工会社の選別、工事費用見積りのベースに。

- 売上予測に基づき、食材原価、運営費用(コスト)、減価償却等の固定費、利益計画、投資回収計画を策定する。事業計画書は資金調達先へのビジネスプランとなります。
- コストについては、開店コストとランニングコストを明確にする。
- 事業計画に基づき、設計施工会社、食材や営業関連備品など必要となる取引会社を洗い出し、具体的な説明→見積り依頼→取引先決定→発注という流れを作る。
- この段階で、オープンまでの詳細なスケジュール表を組む。


- 商品の試作を繰り返して最終的なメニューとレシピを確定する。
- 接客のコンセプトや教育方針を立てて、具体的なマニュアルに落とし込む。
- 店舗を管理する上での必要帳表やマネジメントツールを用意する
- レジ等のシステム機器の検討。
- 店舗運営に関する全てのオペレーション、管理業務、清掃作業を確定させる。

- 人材確保 必要要員の確定→募集媒体の掲載→面接→採用)
- 販促物の準備 オープンチラシ、新聞折り込み広告、 POP、ホームページの作成、雑誌広告、看板、ポスター、配布グッズ、ダイレクトメールなど。
- オープン前後のイベント決定。

- 内外装や厨房機器をチェックして、オープン前までに完璧な状態に仕上げる。
- 接客、調理、清掃の各作業が完全に遂行できるまで反復訓練
- ロールプレイングによる実際の営業状態を仮定したトレーニング
- 実践的なオペレーションを体得するために、関係者や取引先を招いてプレオープン

- 今までトレーニングした成果を発揮し、来店されたお客様に最高の QSCを提供する。※オープン日の営業状態は、後々の来店客数に影響を及ぼす。

外食産業の誕生から 30年以上が経過して、今まで外食産業を牽引してきた大手企業群にも疲労感が見え始めている。だからこそ、新たな主役の登場が望まれている。
どんな大手チェーンであっても、すべては「1号店」からその歴史が始まっている。1号店の開店に全力を注いでもらいたい!
-
外食ドットビズ編集部
外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。