外食ドットビズは、創刊よりこの業界の活性化のためには新しい風が必要と考え 起業家の方に向けてメッセージを送ってまいりました。この度、当編集部の責任編集による起業家向けのノウハウ集を発刊いたします。掲載期間が1年ほどの大作になると思います。社内外問わず起業家の方々にとって有意義なノウハウ集となりますので是非じっくりとご購読下さい。
飲食業を立ち上げるには、「直営店方式」と「 FC(フランチャイズ・チェーン)への加盟」という2種類があります。自分でやりたい業態や販売したい商品・サービスが明確な場合は、直営方式でチャレンジしたいところですが、当然リスクも大きくなります。既存ブランドの認知性を活かし、飲食店の経営や運営ノウハウを受けながら、オーナーとして独立したいのであれば、FC加盟で出店する方法がよいでしょう。
一般的に飲食店の起業には、経営パートナー、従業員(正社員、アルバイト)、内外装・厨房機器等の設備・営業備品を含めた相当額の人件費、設備投資が必要となります。また、事業の成功には多くの協力者と取引先の力も必要です。
さらに、対外的な信用と事業責任を示すためにも会社の設立も必須となるでしょう。直営でチャレンジするには、最低でもこれだけのことを自分でまかなわなければなりません。
FC(フランチャイズ・チェーン)は、次のような仕組みになっています。
直営と FCのどちらを選択するかは、自分の人生設計や事業に対する夢、そして、資金調達の状況などをしっかりと見つめた上で慎重に決定する必要があります。
【直営店の場合】
○経営目標実現のための組織運営がしやすく、自分の意志の共有化ができる。
○業態変更、リニューアル、撤退などを容易に決められる。
○競合他社との差別化戦略が立てやすい。
×問題に直面した時のノウハウの蓄積が難しい。
×店舗規模拡大での初期段階に資金調達力不足に陥りやすい。
×コストなどでスケールメリットが得られない。
【 FC加盟の場合】
○商圏内での知名度や認知度を得やすい。
○食材や備品購入時のスケールメリットを得やすい。
○継続的な経営指導が受けられ、経営・運営ノウハウを得やすい。
×ロイヤルティ、加盟料等のコスト負担が大きい
×自分(経営者)の意志が通りにくく、マーケットに対する柔軟性が乏しくなる。
×本部の倒産、負債、他店での事故等の外部リスクを受けやすい
外食ドットビズ編集部
外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。