子供の時の夢を実現できる人はそう多くはない。「天下の台所」大阪をかかえる関西で生まれ育った一人の男がその夢を実現し、今繁盛店を育て上げた。一つの繁盛店を作ることにより、その街を元気にしたい。お客様に喜んでいただける料理で、その産地の人にも喜んでいただきたい。「炭火やきとりちんどん」をはじめに関西地区で積極的にチェーン展開を行っている株式会社RETOWNの松本篤社長に飲食業起業に対する熱い思いを語っていただいた。
主力の飲食の事業ですが、最初にお話した通り直営店としては、「 焼味尽 」 の北浜店と福島店。そして2005年6月に自社ブランド1号店となる 「 炭火焼鳥ちんどん 」 大正店 を出店していました。
ちなみになぜ屋号を 「 ちんどん 」 としたかと申しますと、友人にちんどん屋さんがいたからです。彼に、なぜちんどん屋になったのかをたずねたところ、「 ちんどん屋が通ると必ず人が集まって来るじゃない。そうするとその街が活気づくからだよ 」 との答えでした。これは我々と同じ考えじゃないかと思い、「 ちんどん 」 と命名したのです。
焼鳥業態にしたのは、ベンチャーリンク時代に色々な業態を見てきて、焼鳥屋は流行り廃りもなく、一番店舗を増やしやすいのではと感じていたから。最初からチェーン店展開のためのFCパッケージ化を狙っていましたので、調理のオペレーションがそれほど難しくないところが決め手でした。
「 ぢどり亭 」 時代に感じていた課題、焼鳥業界の中での課題をクリアできたので自社ブランドとして自信を持って世に送り出すことができました。
「 ちんどん 」 という最初の自社ブランドを立ち上げながら、並行して次の業態についても開発を進めていて、同年9月に焼肉業態を出店しました。これが兵庫県三田市にオープンした 「 黒毛和牛焼肉天乃屋 三田店 」 です。三田市の三セクと組んでショッピングモールに出店したのですが…、大失敗でした(笑)。
市から助成金をいただけるということだったので、会社設立から間もない私たちにとっては、お金をかけずにお店を増やせるのはありがたいことでした。それで決めたのですが、施設自体の集客力があまりなく、私たち自身にとっても焼肉業態に対して勉強不足ということもあり、残念ながら思うような結果を出すことができませんでした。結局、当社で唯一撤退した店舗となってしまいました(笑)。この時、いくらお金を出してもらえるとしても、立地は妥協してはいけないということをあらためて学びました。
2006年3月には、梅田に鉄板焼業態の 「 梅田てっぱん食堂 」 とBAR業態の 「 wine bar mela 」 を立て続けに出店しました。この間にも色々とありまして、2005年9月には焼味尽の福島店を鉄板焼業態の 「 黒毛和牛鉄板焼天乃屋 」 に業態変更、同年12月には焼味尽の北浜店を、独立希望を持っていた社員に譲渡しました。
2006年9月に 「 ちんどん 」 としては直営2店舗目となる 「 炭火焼鳥ちんどん 」 九条店 を出店しました。大正店と九条店で培った運営ノウハウでFCパッケージができましたので、同年11月に 「 炭火焼鳥ちんどん 」 大正店をやはり独立希望を持っていた社員にFC1号店として譲渡しました。同年12月にはFC2号店となる 「 炭火焼鳥ちんどん 」 福島店がオープンしました。
また、昨年(2009年)からは、新しい取り組みも始めました。詳細は次回に述べますが、昨年の4月に南紀勝浦の漁業組合と組んで 「 紀州勝浦生まぐろほんまや 」 天満本店 を、今年の1月には岡山県新見市の哲多和牛牧場と組んで 「 黒毛牛焼肉犇屋 」 天満店 を出店しました。
海外にも出店しています。「 HEALTHY HOT POT Mus Mus 」 という蒸し鍋業態のお店をベトナムに出しているのですが、この5月にあらたにBAR業態の店も出店しました。
お陰さまで店舗も順調に増えて行き、現在では、「 ちんどん 」 が直営7店舗にFC14店舗、鉄板焼業態が4店舗、BAR業態が2店舗、まぐろ業態が3店舗、焼肉業態が1店舗、そしてベトナムに2店舗と33店舗を持つまでになりました。
松本篤
株式会社RETOWN 代表取締役
1975年兵庫県・神戸市出身
2007年7月に有限会社RETOWN 創業
2007年8月より有限会社焼味尽(やみつき)のコンサルティング及びフランチャイズ代行業務開始
2004年12月に直営1号店及びFCパイロット店として「焼味尽本舗・北浜店」開店
2005年6月に自社ブランド1号店となる「ちんどん・大正店」開店
2005年7月に株式会社に転換
2010年5月時点で直営・FCで33店舗出店。屋号は、「炭火焼鳥ちんどん」「WINEBAR MELA」「鉄板居酒屋天乃屋」「紀州勝浦生まぐろほんまや」「黒毛牛焼肉犇(ひしめき)屋」「HEALTHY HOT POT Mus Mus」(ベトナム)など