「看板のない居酒屋」でも繁盛店にできる ~繁盛店つくりは人つくり。「岡むら」流商売の極意に学ぶ~岡むら浪漫 代表取締役 岡村佳明氏

「看板のない居酒屋」でも繁盛店にできる 繁盛店つくりは人つくり。「岡むら」流商売の極意に学ぶ

静岡県藤枝市にある「遊酒 岡むら」を始めとして同県内に現在7店舗の居酒屋を経営する岡むら浪漫。代表の岡村佳明氏は「看板をださない」「宣伝をしない」「入口がわからない」という独自のコンセプトで、口コミだけの繁盛店を作り上げてきた。彼のユニークな経営手法は、メディアからも脚光を浴び、今や全国の講演会にひっぱりだことなる。また「居酒屋から藤枝を元気にする会」を立ち上げ、地元の活性化にも積極的に取り組んでいる。そんな多忙な日々を送る岡村代表に、繁盛店つくりの極意を語っていただいた。

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商売繁盛するには、「 自分繁盛 」 = 「 自分つくり 」 が大事と気づいたものの、では 「 自分つくり 」 にはどうすればいいのだろう。そこでまず私が始めたことは 「 本を読むこと 」 でした。

「看板のない居酒屋」でも繁盛店にできる ~繁盛店つくりは人つくり。「岡むら」流商売の極意に学ぶなんだそんなことかと思われるかもしれませんが、今まで勉強嫌い、仕事嫌いの私が本を読むこと自体、私にとっては一大事なことなのです。とにかく、ビジネス書を始め啓蒙書や哲学的な本まで色々なジャンルの本を片っ端から読んでいきました。しかも読む本、読む本が、全て面白いのです。これまで本とは無縁だったせいか、それとも必死で答えを求めていたためか、本に書かれていることが驚くほど心の中にすっと入ってきました。中でも、「 銀座まるかん 」 の創設者、斎藤一人さんや、能力開発の魔術師と言われている、恩師 西田文郎先生の著書には、非常に多くの感銘と影響を受けました。

「看板のない居酒屋」でも繁盛店にできる ~繁盛店つくりは人つくり。「岡むら」流商売の極意に学ぶ「 人は自分が何を知らないかを知らない 」 という言葉がある通り、本を読むことにより、いろいろなことを知り、新しい世界がどんどん開けていきました。そして、本を読むうちにあらためて気づいたことが、「 この世の中には当たり前のことなど一つもない 」 ということでした。ご飯が一日三度食べられること、おやじとおふくろがいること、暖かい布団で寝られること、健康な体があること…普段の生活や、自分にとって当たり前のことが、実は 「 当たり前 」 ではなく 「 有り難い 」 ことだと思えるようになったのです。

私は、「 店つくりは人つくり 」 と気づかされたことにより、ものすごく変わったと思います。自分繁盛のための猛勉強を始めたこともひとつですが、スタッフに対しても日頃の感謝以上の思いを抱くようになりました。スタッフ一人一人が輝くようにいつも考えるようになりましたし、そのせいか一人一人の良さがよく見えるようになって、よくわかるようになったのです。そして、「 うちのスタッフは大切な家族だ 」 と心から思えるようになったのです。

五十海 しぃぼーこのような毎日を続けていたら、「 岡むら 」 は繁盛していったのです。それから2年、おふくろのあだ名を冠した、念願の2号店 「 五十海 しぃぼー 」 もオープンし、まさに順風満帆、遊び人だった男の店がトントン拍子に繁盛するなんて、自分は日本一ツイてる男かもしれない。でもこのツキにも何か法則や原則があるのかもしれない、そう思っていました。

そんなある時、後に私の人生の師となる西田文郎先生のセミナーに参加して教えられたことがあります。「 ご先祖様はたった20代遡るだけで、104万人を超える。その中のたった一人でも早死にしたり、人生を全うできなくても、今の自分は存在しない 」。この話を聞いたら、104万人のご先祖様が命を繋いで、繋いで、繋いで、私は今、生きているんだ。ご先祖様に感謝です。

そして原始時代でもなく、戦国時代でもなく、戦時中でもないこの平和な日本に生まれてこられたことだけでも 「 ツイてる 」。居酒屋に生まれたことも本当に感謝なのです。



岡村佳明氏

有限会社 岡むら浪漫

http://www.okamura-wa.com/

1950(昭和25)年 「はとや」で創業
1970(昭和45)年 「酒房 岡むら」開業
2002(平成14)年 「遊酒 岡むら」開業

「遊酒 岡むら」の他、「喰い処ばぁ 幸」「五十海 しぃぼー」「岡むら のぼる」「岡むら うさく」「VEGETABEL BAR 兼次郎」「港町 岡むら いきち」を運営

代表取締役 岡村佳明氏
1962年10月 静岡県藤枝市出身
著書に「看板のない居酒屋

文:齋藤栄紀
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