「人」にフォーカスしたトラスト方式で繁盛店をつくる!~信頼関係で結ばれた、他に類を見ない店舗展開システムで起業家を支援~株式会社ムジャキフーズ 田代隼朗氏

「人」にフォーカスしたトラスト方式で繁盛店をつくる!信頼関係で結ばれた、他に類を見ない店舗展開システムで起業家を支援 株式会社ムジャキフーズ 田代隼朗氏

店舗数を拡大するビジネス手法は、チェーンストア理論が一般的だが、従来にはなかった業務委託による店舗展開「トラスト方式」で、60数店に上る店舗ネットワークをつくり上げているのが株式会社ムジャキフーズである。独立希望者とムジャキフーズの間でトラスト(信頼関係)をつくり、店舗のパフォーマンスと収益を最大化させるという同社の仕組みを紹介するとともに、繁盛店運営に必要な要素を探りだしてみたい。

第4回 経営と現場の真剣勝負が、いい飲食店づくりには欠かせない

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「人」にフォーカスしたトラスト方式で繁盛店をつくる 信頼関係で結ばれた、他に類を見ない店舗展開システムで起業家を支援 株式会社ムジャキフーズ 田代隼朗氏ムジャキフーズで起業体験をしようと思ったら、またA契約を結ぶのがスタンダードなやり方ですが、いきなりB契約を申請してくれても構いません。それだけの技術があるならばゴーサインを出します。たとえば、以前うちに在籍した経験があり、退職後に改めて沖縄料理店をB契約で依頼してきた人もいます。分厚い企画書と人材を自分で手配して、審査と取締役会でも承認され、いきなり業務委託契約を結びました。また、広尾のてんぷら屋は、お台場の日航ホテルの和食料理長をやっていた人が、資金も人材もないのでトラスト方式でやりたいと依頼してきたものです。腕一本でやりたいというので、弊社でお店をつくり、そこに職人と配膳の女性を手配して、彼がやりたいメニューまでセットしました。

「人」にフォーカスしたトラスト方式で繁盛店をつくる 信頼関係で結ばれた、他に類を見ない店舗展開システムで起業家を支援 株式会社ムジャキフーズ 田代隼朗氏社員にならなくても、いきなりA契約やB契約を結ぶことができます。ただ、実績や経歴を審査させてもらいます。信頼関係をつくり上げられるかどうかをジャッジするのです。ですから、お金を用意してくれば開業できるというわけではありません。そんなことよりもトラスト(=信頼関係)がなければいけないのです。それから、どんなに困って辛い思いをしても、逃げないこと、裏切らないことが大事です。困ったなら困った、儲かったら儲かったと言ってくれればいい。堂々と意見を言い合える関係でありたいのです。それがうまくいくポイントではないでしょうか。

やはり、そういう関係を築ける人は商売も上手ですね。人当たりがよくて、人付き合いもうまいのです。親戚中をまわって1000万円を集め、商売をはじめたら、すぐに失敗したという例はたくさんあります。そこには、心というものが通っていないのです。ただ1000万円を投資して、将来的には2000万円、2億円になるだろうと安易な考えで起業すると失敗するのです。何らかのポリシーや使命感を持った上で、最低限の商売のセンスがあったら失敗することはないのです。飲食の商売は、人と人の商売なので、お客様に認められればつぶれることはないはずです。

「人」にフォーカスしたトラスト方式で繁盛店をつくる 信頼関係で結ばれた、他に類を見ない店舗展開システムで起業家を支援 株式会社ムジャキフーズ 田代隼朗氏飲食の原価率が30%程度という事実は、一般にもかなり知られています。家で食べれば30%の値段で食べられるのに、なぜわざわざお店に行って100%の値段で食べなければいけないのか。それは、飲食店にいる人間、その仕事ぶりやテクニックにお金を払っているとお客様が理解してくれているからです。ということは、30%のものを100%でいいと言ってくれているお客様を裏切ることさえしなければ、原価率が低いのですから、必ずやっていけるはずです。やっていけないのは、何かおかしなことをやってしまっているからです。お客様の思いや期待を裏切り、認めてもらえていないのが原因だと思います。

ある大企業の社長さんが、「 これだけ利益が上がりました 」 と株主総会で自慢気に報告したとします。その裏で、メディアの取材に対して 「 骨身を削ってお客様のために働いています 」 と語っていたら、それは自己矛盾になるのではないでしょうか。会社が儲かるということは、お客様から利益を取っているということです。お客様のためにと言うのであれば、原価率30%のものを30%で売るべきです。身を粉にして働くなら給料は取らなくていいのです。会社を経営する側と、お客様に喜んでもらうために現場で働く側が向かい合って真剣勝負をしないと、いい店舗はできないのではないでしょうか。ムジャキフーズはその仕掛けをつくろうとしているのです。

「人」にフォーカスしたトラスト方式で繁盛店をつくる 信頼関係で結ばれた、他に類を見ない店舗展開システムで起業家を支援 株式会社ムジャキフーズ 田代隼朗氏飲食の現場で、お客様に喜ばれるような仕事をしたいと思えなくなった方は、商売を上手くできないし、僕らとも上手くやっていけないと思います。そういう魂のない飲食店も実際にあります。たとえば、食材が床に落ちた場合、拾ってそのまま使ってしまいます。腐っていそうな食材でも、使わないと怒られるからと使ってしまう。それが食中毒や食品偽装の問題につながっていくのです。そこには、お客様に喜んでもらいたいという気持ちが皆無なのです。少しでもあったら、そんなことは絶対にできないはずです。飲食業に携わるものとして許されることではありません。会社は利益を出すために、店舗はお客様のために、そういう気持ちでガチンコ勝負をすることが、いい店づくりにつながっていくと考えています。



田代隼朗氏
株式会社ムジャキフーズ

株式会社ムジャキフーズ

http://www.mujaki-foods.com/

代表取締役社長 田代隼朗氏

1963年鹿児島県出身

1986年6月に飲食店の経営と不動産の仲介業を主たる事業とする田代コーポレーションを設立。1997年3月に子会社としてムジャキフーズを設立、田代コーポレーションからラーメン店4店舗を営業譲渡。2001年4月には、初の業務委託店舗となるラーメン店を出店。現場での運営実績をもとに、これまでにない店舗展開システムとしてトラスト(=信頼関係)方式を確立して多くの独立希望者を支援。ラーメン、中華、洋食、鮨、鉄板焼、和食など67店舗(09年10月末時点)を全国規模で展開している。

文:貝田知明
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