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外食業界で生きることは、人のために生きること!

起業のためのネット講義 外食業界で生きることは、人のために生きること! 株式会社SEED-TANK 代表取締役/CEO 古里太志

カジュアルレストランを運営するグローバルダイニングで最短期間・最年少で店長に就任、数々の店舗で実績を残した後、2000年に28才で独立した古里太志氏。東京・麻布に2軒の人気ダイニングレストラン、銀座にホテルのメインダイニングをオープン、若手の実力派として注目を集めている。また、接客・サービスのブロとして、サービスコンサルタント業も行っている古里氏に、店舗作り・チーム作りノウハウを伺ってみました。

第6回 飲食業界の新時代に起業をする皆さんへ!

飲食業界の新時代に起業をする皆さんへ!

株式会社SEED-TANK 代表取締役/CEO 古里太志 うちの会社では、営業の手段としてメールやサイトなど IT を積極的に活用しています。この分野の研究・活用は、飲食業界はとても遅れていますが、お客様と近くなることを狙っており、結局は、それが数字になって現れてくるのです。 IT といってもいろいろあります。どういったサイトに情報を出すのか、どのようなサイトとリンクを貼るのか、そういったことも考えていくと非常におもしろい。ただ店舗紹介サイトに載せるだけではなく、どうやったらリピートにつながるのかという方法論も追及できる。また、銀座のホテルレストランであれば、 IT を活用して、どういった入口からお客様が来ているのか分析して、半径どれ位のお客様にどういった営業をするかも検討できるし、ビジネス客に対し、次に来てもらうきっかけづくりのアプローチもできるでしょう。 IT を活用すると、予約の段階で目的意識をお客様と共有できて、スタッフの対応も個別にできるようになるのです。ストレスを感じないサービスをお客様ごとに考える。レストランの基本姿勢につなげることができるのです。

株式会社SEED-TANK 代表取締役/CEO 古里太志 他にも、いろいろなことがこの商売に持ってこられるでしょう。僕は、人間の心を知るために心理学も勉強をしていいます。なぜこの色を選ぶのか、選ばれやすいメニューの構成とはどういうものか、そういったものには必ず理由があるはずです。それを追及していくことが目的です。人材育成にしても、自分を高めるために、いまの自分の弱点を会社と一緒に克服していくようなシステム、コーチング技術研修なども導入しています。これからの時代、飲食店を強くしていくためには、飲食業界以外の考え方をどんどん取り入れる必要があるのです。

起業を目指す皆さんに言いたいのは、今からでも、いろいろなことに興味を持つべきということです。未知のことや難しいことに挑戦するのが、人間を成長させる大きな糧になると思っています。英会話は日本で勉強してもなかなか学べないでしょう。日本語が通じないところに自分を追い込んだら、誰でも話せるようになる。自分がやれるかやれないかではなく、やらなきゃいけない環境に追い込むということが大切だと思います。

また、自分はまだまだなんだ、上には上がいるという危機感と他人を認める勇気を持ってほしいです。人を認めるというのは、意外に難しいことです。特に、年下の人間を認めることには勇気がいりますが、この仕事は、自分一人では絶対にできないですからね。

起業のためのネット講義:外食業界で生きることは、人のために生きること! 株式会社SEED-TANK 代表取締役/CEO 古里太志そして、飲食業に一番大切なことは、人のために生きられるかどうかです。我々は、お客様に喜んでもらうために、すなわち人のためにお店を開けているのです。いいものを作って、お客様を喜ばせることが我々の目的であり、結果的にお客様が喜ぶから人が集まって売上になる。売上を上げるために仕事をしているわけではないのです。お客様のため、従業員のために、毎日店を開けているんだと思えなければ、この仕事はできません。人のために生きるなんて考えたことがないかもしれませんが、飲食業界で起業するときは、いきなりそれを実践しなければいけません。いまからその覚悟を持つべきではないでしょうか。



古里 太志

古里 太志

1971年神奈川県茅ケ崎市生まれ。東京工芸大学建築学科を卒業後、グローバルダイニングに就職して数々の店舗で実績を残す。
2000年に西麻布のダイニングレストラン「Furutoshi」で独立、01年に麻布十番に「Pacific Currents 」、05年11月には銀座にホテルメインダイニング「sky」をオープン、いずれも人気店に育てる。
また、サービスコンサルタントとしても活躍、異業種との交流により外食業界に新たな手法を積極的に導入している。

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