「 大阪王将 」 を中心に、「 よってこや 」 「 太陽のトマト麺 」 などの業態で多店舗展開をはかる イートアンド株式会社 。現在では、外食事業の他にも、市販冷凍餃子で全国2位のシェアの食料品販売事業も展開、さらにはデパ地下など中食へも展開するなど、総合フードサービス企業として顧客のニーズに応えるべくボーダレスな展開を行っている。コーポレートスローガンに 『 おなかいっぱいの幸せを 』 を掲げ、生活食文化の向上に貢献するために、様々な 「 食の価値 」 の提供を追い求める同社の取り組みについて考察する。
ここから再び、松本吉浩氏に話をお伺いしていく。
-食の安心・安全に対する取り組みをお教え下さい。
「 タネから食卓へ 」 を合言葉に取り組んでいます。 つまり生産地からお客様の口まで一貫して安全で安心なものをお届けしたいと考えているのです。餃子の具材は全て国産の食材を使用し、キャベツは契約農家から直送の 「 ごちそうキャベツ 」 を、にんにくについては当社専門に組織した出荷組合から送っていただいています。原材料の入荷時には、賞味期限、ロットナンバー、更に必要なものは品温までを確認し、記録することにより、どの段階でも食品の情報が把握できるようにする仕組み 「 原材料トレース 」 を確立しています。餃子の具や皮などは、鮮度を考えて厳格な温度管理のもと当日配送を実施しています。また、店舗では 「 餃子を早く巻く 」 ことにこだわっています。もたもたとしていると手の熱で鮮度が落ち、味も変わってしまうからです。とにかく鮮度へのこだわりが、おいしさを支えています。
さらに当社は、製品の品質を保証しさらなる向上をめざし、品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001:2008認証取得を2007年に果たしました※1。また、2011年には、安全な食品を生産・流通・販売するために、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000:2005の認証を取得いたしました※2。今年秋口には、群馬県に新工場も完成予定で、これからも全力を挙げて食の安心・安全の確立に取り組んで参ります。
※1 関西工場 岡山工場 北海道工場 本社商品本部
※2 関西工場、本社トレーディング本部ならびに商品本部
- 社員教育への取り組みについてお教え下さい。
大阪王将においては、店舗とほぼ同じスペックをもつ 「 研修センター 」 での研修を行っています。
衛生管理などに関する教室での座学はもちろんのこと、厨房での調理研修や餃子巻きの訓練、接客サービスの研修など、店舗での実地研修を合わせて60日間で一人前の職人に育て上げます。
またイートアンドの人材育成においては、ジョブローテーションや多彩な研修を通じて、グローバルに活躍できるビジネスパーソンを育成したいと考えています。アジアに広がる拠点を舞台に、世界で対等に渡り合える語学力やヒューマンスキルを磨く海外実地研修も順次スタートしていく予定です。
- 最後に今後の取り組みについてお聞かせ下さい。
社名にもある通り、イート「アンド」を生み出すためのR&Dを進めていきます。昨年完成した「エッグキッチン」からはすでにいくつもの商品が世に送り出されました。
また前述の通り、今年秋口に群馬県に新しい工場が稼動します。こちらはただ単に製造するだけではなく、新しい価値のある商品を生み出すために研究拠点にしたいと考えています。
さらに海外展開にも力を入れて行きます。これまで、香港に 「 大阪王将 」 を3店舗、中国にラーメン業態 「 食尚食家(よってこや)」 を3店舗展開していましたが、新たに韓国に 「 大阪王将 」 を出店(4月15日)いたしました。6月以降もタイなどアジア圏へ 「 大阪王将 」 ブランドを中心に出店を加速させて行きたいと考えています。
イートアンド株式会社
代表者:代表取締役 文野 直樹氏
本社所在地:大阪府大阪市中央区南久宝寺町2丁目1番5号
1969年9月 創業
1977年8月 大阪王将食品株式会社設立
1996年8月 株式会社大阪王将に社名変更
2002年10月 イートアンド株式会社へ社名変更
2011年12月 大阪王将300店舗達成
取材協力:マーケティング部 ゼネラルマネジャー松本吉浩氏