お客はこうしてつかめ ~6回の掲載を読めばすべてがわかるCRM構築~

お客はこうしてつかめ 6回の掲載を読めばすべてがわかるCRM構築

第1回 CRMって、なあに?

最近、顧客分析が必要だと言っている人が多いが、本当に必要なのだろうか?私たちの考えている分析とは何だろう?と考えることが多くなった。しかし、世の中の流れがそうなっている。他の企業もやっているからうちも、みたいなことが多い。
今回は、私の半生の実体験を通して、いかにCRMに近づいたのか、またCRMを導入している企業での様々な出来事などを、6回に分けてご説明していきたいと思います。取上げた事例は、きっと皆さんにも似た様な経験があるのではないでしょうか?実は忘れかけていた事かも知れません。本当は「何が必要なのか」を理解していただければ幸いです。
人として生まれ、教育を受け、反抗期があり、就職をし、結婚し、子供が生まれ、その子供が育ち...。人間は何を考えているのでしょう?

なぜ、ものを買うのか?なぜ、儲けたいのか?
そんな答えになるかどうかは解りませんが、「なぜお客が減るのか?」一緒に考えて行きましょう。


今、消費者や企業がおかしい。うわべばかり気にしている人が多い。
今欲しいものは何ですか?と言われたら何と答えますか?“お金”?多分多くの人は、お金を有って欲しいものとして選ぶ気がします。給料をもらって、それを身の回りの飾りや格好・見栄を良くすることに使っているような気がします。
私自身の経験からも、うわべではなく、「いや、重要なのは中身だ」と考えている人は少なくなっているように思います。うわべだけを考える今の世代が子供を産み、その子たちが大人になっていく。
20年後はどうなるのか?人の心理はどうなるのか?

なぜ、現況の中で売上が上がらないのに、テレビのニュースでは日本国民はお金を持っていると言うのか。常に市場では景気が悪いと言う。しかし、コンビニやスーパー、夜の街に行くと無駄な金を使っている人が多く、本当に景気が悪いのかと疑問になる。消費動向から考えると、今必要なものや欲しいもの・食べたいものにはお金を簡単に払う傾向があるのは間違いない。

今、どこの社長も売上が必要なのだが、数字が思うように上がらないので、苦労している。実は、上がらない理由や、売れない理由を不景気の理由にしている企業や社員が多いのではないだろうか。
本当は、顧客が離れていっている事にまったく気付いていない。そこが問題なのだ。社風や企業の考え方など立派な歴史を誇っている企業がある。その歴史に今、メスを入れる時期でもある。
20年程前を思い出して下さい。必死で商談をしていた事を。バブルが会社の歴史を狂わせてしまった。「誰かが動くだろう」では、会社は無くなる。自らが先頭をきって動かなければならない。もし、あなたがサラリーマンであれば、自分の力で企業を起すつもりでやらなくてはなりません。そうしないとクビになったり、会社が倒産した時に、あなた自身が苦しむことになります。経営者ならば、会社や家族を守る為にもやらなければなりません。誰もあなたの会社が儲かろうと潰れようと関係ないからです。意外に思うかも知れませんが、そうなのです。すべてが他人事なのです。
経営のコンサルをお願いしていても、売上が上がらなければ、「言った通りにしてないから」と言われるだけです。ただ待っているだけなら会社は潰れます。この連載を読んでいただければそんな事が少し解決するかも知れません。
昔は売上を上げるのに個客から商品を探していたが、今は商品から顧客を探している、こんなことに気が付いてください。いつかあなたの会社が潰れるのを、楽しみにしている企業もあるのではないですか。
世の中には、One-To-OneマーケティングやDBマーケティング、CRMなど言葉だけが先行している。しかし、結果として、売上が上がらなければ何もならない。世の中にはいろいろな勉強会がある。付き合いで行くのなら辞めた方が良い。セミナーも話を聞くだけなら行かない方が良い。何事も実践である。なぜ売れないの?と疑問から戦略を考えていたが、実は、個客は本当に欲しいものは買うのだ。この原理はまったくといっていいほど昔と変わっていない。ただ、戦術は確かにある。それは、心理学である。
CRMとは「カスタマー・リレーションシップ・マネージメント」、所謂、“お客様との絆づくり”です。皆さんは、お客様が来て、物を買って(又は食べて)そしてお金を貰う。ここまでで終わってしまっていませんか?
お客様との絆作りと言っても、何をしたらいいのでしょうか?

 

ヒント

  1. 私のお店の客層を理解し、私たちがその年齢だった時を思い出し、その時の気持ちを今の時代に合わせて考えれば、アイデアが生まれてくるかもしれない。
  2. 実際に店舗を出し、1年後、3年後、5年後には客層が変わっているかもしれない。
  3. 私たちは「今になれてしまっている」かもしれない
  4. 私たちは「私たちの論理」を強制しているのかもしれない

 

【ヒント1】

私たちはお店や会社など作って何年かすると、私たちも年をとっている。ということは、実は味覚や営業感覚も経験を積んで来ているということになります。その時の年齢に戻ってみて見ましょう。
私の年齢は41歳ですが、20代中心のお店であれば、20代の感覚を得なくてはなりません。しかし、食べ物は脂や肉は減ってきていますし、ファッションもおじさんになってきている。20代と付き合わないといけませんね。その当時の感覚と、今の20代の感覚の両方を頭に入れ、アイデアを出さないといけません。おじさんのお店はおじさんが考えれば良いではなく、自分がおじさんになったつもりで、おじさんと話してアイデアを出していくのがいいと思います。
それは、お客様とどうやって絆を作っていくのかと言うことにもなると思います。経営をして年をとり、何時の間にか過去のことを忘れてしまっているのかも知れません。

 

【ヒント2】

時代が変わると考え方も変わってきます。実は今の客層は、5年前の客層から切り替わってしまっているのかも知れません。これは顧客の囲い込みや、固定客の論理を狂わせます。でも、こう考えてください。
「顧客には寿命があり、顧客の寿命を延命する努力をすることを考える」、これが大切なことなのです。
皆さんが10年前に行っていたお店は、今何件残っていますか?企業でも10年前に取引をしていた企業が、何件無くなっていますか?情報を知ることで、少しでも長くお客様にお金を使って頂くことが大切なのです。

 

【ヒント3】

今の事業に慣れが生じてしまって、「まあいいか」という気持ちが発生していませんか?事業がルーチンワークになってしまい、新しいことも出来ずに、アイデアも無くそのままにしていませんか?
常にいろいろなことをやっていかなくては成長も止まってしまいます。あとは業績も下って行くだけなのかも知れません。
勇気が必要です。ローコストで仮説検証し、そして、顧客の心理を理解し、新しいことにチャレンジすることは必要でしょう。いつかは、競合店が出てくるかも知れませんし、商圏人口も減ってくるかも知れません。環境の変化もあるでしょう。お客様の状態も変化する。そんないろいろな要因があるのですから、今の状況に満足していてはいけないということです。

 

【ヒント4】

いつの間にかお客様主体と考えていたことが、実は自分又は会社が主体になっていることです。「お客様第一主義」とみんな言いますが、月末には、売上達成!と言っている。多少強引にでもとってこないといけないときも多い。「社長様第一主義」では?と思うこともある。

私は、「CRMとは情報を知り、その情報を元にお客様とコミュニケーションをし、お客様が満足して、自分自身のモチベーションに繋がるようにすることを考えさせる言葉」なのだと考えています。これが実現できれば、実は売上が上がると思います。

<ちょっと一息>

国の機関が調査した結果、小売業は1982年に全国で172万店舗、1999年に140万店舗、2014年には140万店舗になる勢いで減っていくだろうといわれております。
原因は、①放漫な経営による売上減、②後継者不足、③時代の波に乗れなくて売上減、④SC時代の商店街地盤沈下による撤退、⑤顧客ロイヤリティの低下、といわれている。
しかし、お分かりだろうが、実はSC時代も競争である。人口が2006年にピークを迎えて、減少するとの報告があった。これは、製造業や小売業、卸売業などすべてに言える事である。今ターゲットにしている年代は、減少しているはずです。ならば会社の規模には関係なく、すべての企業で努力を惜しまずに、お客様のLTV(生涯顧客価値)を考えていかないといけません。

例えば、靴屋さんの例を挙げます。1人の子供は0歳から5歳になるまでに5万円もの靴を買って貰うらしい。ただ、その金額は自分の店に落ちているのか、その金額を使ってくれている人が何人いるのか?調べてみる必要はある気がするのです。
それが、顧客満足度を上げ、顧客維持につながり、顧客の離脱防止につながるわけです。地域性も当然あります。福岡には、回りの大分・北九州・熊本・長崎から人が来ます。とすると、その地域の方では、商圏の人口が目減りするのではなく、商圏自体も取られていっているはずなのです。
なぜ、気付かないのだろう。お客は突然いなくなる。顧客ロイヤリティの向上を目指してください。

顧客ロイヤリティ=
商品・サービスの質の満足×ライバルとの比較優位性×会社に思いをよせる時間



大井啓伊

大井 啓伊

株式会社ミリオネット
福岡市博多区博多駅前4-8-15
代表取締役 大井啓伊
TEL092-441-5183
FAX092-441-5182
http://www.millionet.co.jp/

株式会社INFO NAO‘S
代表取締役 大井啓伊
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FAX 092-441-5182
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