特別企画 海外外食マーケット座談会 ~拡大を続ける東アジアの国々~

特別企画 海外外食マーケット座談会 拡大を続ける東アジアの国々

いままで外食ドットビズでは、アメリカの外食店舗に関する情報はお伝えしてきましたが、その他の国々については触れていませんでした。昨年末を中心に偶然にも当サイトのメンバー3人が、中国・韓国・台湾へプライベートで渡航する機会を得たので、一旅行者としての視点で各国の情報を座談会形式にてお届けいたします。
参加者は、論説主幹である坂尻高志、当サイトを運営する株式会社フォアサイトの酒美保夫、コンテンツ制作を努める有限会社ノーデックス福本龍太郎で、編集長の齋藤栄紀が司会を務めます。なお、コメント内容については、旅行者としての個人的な感想を含んでいることを予めご了承ください。

第2回 日本人旅行者の目に留まった最新人気店舗は?

台北 定食屋福本● 印象に残ったのは、ガイドブックに載ってない普通の商店街の食べ物屋。それこそ、町の定食屋みたいな店です。豚肉を揚げたものがご飯に乗っている「パーコーハン」を必ず置いているような店に好んで行っていました。結局、麺やお米を食べてたのですが、ご飯はどこも美味しく、食べやすかったですね。

日本で食べたら 800 円はするだろうという内容の定食が 200 ~ 300 円程度でしたから、日本の 1/4 位。観光コースで行くような店は違いますけどね。有名なお店より、安くて美味しかった。店も空いていたし。夜は、食べられるスペースがあるお総菜の店にも行きました。

齋藤● 韓国ではどのような外食事情でした?

韓定食坂尻● トレンドを考えるなら、「 Well Being 」がキーワードでしょうね。ライフスタイルを示す流行り言葉で、「量より質」といった意味です。昔ながらの韓国料理は量がすごい。 500 円位の韓定食を頼むと、ご飯と味噌汁に小皿が 40 種位出てくる。お皿が空になると、店の人が交換してくれるから、食べてもきりがない。わんこそば状態。これが 500 ~ 700 円で食べられる。

齋藤● それは宮廷料理じゃないんですか?

坂尻高志(論説主幹)坂尻● 定食屋でも出てくる一般料理です。お皿をキレイにして、“ごちそうさま”というと、店側が納得しないわけです。私たちのサービスが、この人には充分ではなく貧しかったのではないかと考える。それが昔ながらの食文化だったんですが、「本当にそうなのか?」というのが最近の風潮なのでしょう。やたらに量を食べるのではなく、質を追及しようという動きで、確かにそうでしたね。お代わりを持ってこない店もあったし、少量のポーションになっていると感じました。

韓国 流行料理料理のメニューでは、韓国の女の子の間では、二つの流行料理がありました。ひとつが「ブルダック」で、最近渋谷などにも専門店がありますが、鶏肉を甘辛く煮たもの。もうひとつが豚皮の料理。日本と同じように健康ブームで、疲労回復やビタミン B 群など豚肉だけに含まれているから。人気の店という見方をすると、豚をアレンジしたものが目立っていた。

それから、「スターバックス」でカップルが楽しそうに過ごしている光景をよく見掛けました。僕らの感覚では、ちょっと時間があるから寄るとか、待ち合わせの場という使い方ですが、デートの目的地になっている感じを受けましたね。店は同じなのに、利用する側の雰囲気が違っていたのが印象的でした。

齋藤● 上海で印象に残ったのはどのような店でしたか?

新天地酒美● 新天地という平屋のショッピングモールのような場所です。いわゆるトレンディースポットらしいのですが、ベラボーに高い。カフェ&バーみたいな店で朝飯を食べたんですが、フレンチトーストとコーヒーを入れて 100 元弱、 1500 円位。場合によっては、現地の人の 1 ヶ月分の食費ですよ。どの店も高かったですが、そこからちょっと外れると数元で飯を食える店があったりする。所得に合わせた、いろいろな価格帯の店があるという街ですね。

上海で人気のあるレストラン 小南国ホテルや現地の人に一番人気のあるレストランを聞いたら、全員が「小南国」と答えました。やたらと豪華な作りのお店で、中華料理をベースに別業態で焼肉屋もやっている。一人 250 元程度とそこも高かったですが、満員で予約しないと入れない状況でした。



参加者

  1. 坂尻高志(論説主幹)
  2. 酒美保夫(株式会社フォアサイト)
  3. 福本龍太郎(有限会社ノーデックス)
  4. 齋藤栄紀(外食ドットビズ編集長)
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