1985(昭和60)年、業界に先駆けてレストラン向けオーダリングシステムを世に出したエスアイアイ.データサービス株式会社(SDS)。その豊富な実績と経験を元につくり上げた革新的な新商品を今年のHOTERES JAPAN(国際ホテル・レストラン・ショー)でお披露目をするという。お披露目に先んじて外食ドットビズ読者のために同社代表取締役社長の小林良夫氏に話をお伺いした。
- 新商品の概要についてお教え下さい。
【 中西氏 】 それについては、商品企画担当の私の方からお話させていただきます。商品名はMONSTERA(モンステラ)です。名前の由来は後ほど小林の方からお話させていただきます。
まず、業務の効率化という観点からは「デバイスへの必要機能の集約」によりコストダウン運営のお役に立てることを実現しました。
例えば 「 マルチプリンタ 」 には、従来のプリンタ+操作パネルの機能に加え、インテリジェントステーション(IS) [※1] 、HUB、Irローダーの4つの機能を集約しました。価格は、今までのプリンタと同等の価格を想定しておりますので、これによりシステムコストが低減できることがおわかりになると思います。
[※1]: マルチプリンタに別売のコントローラカードを搭載することで、ISのオーダリングコントローラ機能が実現できる
具体例でご説明しましょう。図の左側がFF業態やコーヒーショップ業態、昨今の低価格居酒屋業態といった、比較的小型店舗の今までの構成図です。小型店舗でも、ハンディターミナル (HT)の台数を増減させるだけで、他の機器類は店の大小に関わらず使用するものは基本的に同じでした。MONSTERAならマルチプリンタ [※2] を2台使用するだけで基本的に今までのオーダリングシステムと同じ機能を実現できます。つまり坪数(店舗のサイズ)にあった機器での柔軟なシステム構築ができるようになり、小型店舗には小型店舗に見合うコストでご導入が可能となるわけです。コストの削減ができることにより投資回収も短くすることができます。
更にマルチプリンタそれぞれにコントローラカードを搭載することによって、コントローラ機能の冗長化という堅牢なシステムの構築までできるようになりました。
[※2]:マルチプリンタに別売のコントローラカードを搭載することで、オーダリングコントローラ機能が実現できる
次に 「 MYハンディ 」 機能についてご紹介します。追加注文の多い居酒屋などは、メニューを直接選ぶ(メニューダイレクト)ことが便利です。一方セットメニューなどが多いファミリーレストランなどは 「 ステーキセット 」 ⇒ 「 肉の焼き方 」 ⇒ 「 サラダやドレッシングの選択 」 ⇒ 「 ライス or パン 」 ⇒ 「 ドリンクの選択 」 など順番に選んでいく階層式(分類入力)の方が便利です。今までのオーダリングシステムだとどちらか一方の機能しか搭載されていませんでした。MONSTERAの 「 MYハンディ 」 機能ではどちらもお使いいただけますので、業態に関わらずご利用いただくことが可能となります。しかも担当者がお好きな画面色や文字の大きさを選べますし、英語にも対応していますので、老若男女、外国人労働者など多様化した人材を即戦力化できるようになるわけです。
そのほかにも、従来のオーダリングシステムにはない機能を搭載しています。居酒屋などで追加注文の際にテーブル番号を打ち間違えてしまい、他のお客様に金額が付加されてしまうということが、従来のHTですと、少なからずあるということでした。MONSTERA は、注文のたびにHTでかざすだけで自動入力できる機能を搭載しました。担当者毎のオーダー数なども取得できますので、従業員の生産性を見ることができたり、また、勤怠データとしての活用やクローズドされた電子マネーでその場で会計をしたりなどと将来的に夢は広がっていきます。
さらに、MONSTERAは売上向上に寄与させていただく要素も兼ね備えております。以前 外食ドットビズにも取材記事 を載せていただきましたが、「 しゃとるん 」 と 「 MONSTERA 」 を連動させることにより積極的な集客や追加注文促進などの販促活動を実現できます。
飲食店様の特長として 「 お客様の店内滞在時間が長い 」 ことがあげられます。この時に販促活動ができれば効果的です。が、一般的な会員カードなどは最後の会計時に使用されますので、滞在時間中の活用が難しいのが実情です。しかしMONSTERAならお客様の滞在時間中に販促活動に活用していただくことが可能となります。
例えば 「 しゃとるん 」 と連動することにより、会員様の過去の注文履歴や来店頻度の記録をHT上に表示することも可能です。この機能を使って 「 新鮮なまぐろの刺身が三崎港から入荷しています 」 「 新しい赤ワインがフランスから入荷しました 」 などと積極的に追加注文をとったり、「 先月の20日にご来店いただきましてありがとうございました 」 などと顧客サービスを行ったりと、お客様の店内滞在中にサービスを展開することで 「 また来たいお店 」 作りのお手伝いが可能となるわけです。
- 最後に新商品に対する想いについてお教え下さい。
【 小林社長 】 この商品に対する私どもの想いはMOMSTERAというブランド名に表れています。
MONSTERA(モンステラ)は、つる性の植物で、太い茎と長く伸びる蔓(気根)、そしてたくさん茂る葉が特長です。今回の新商品では、まさにMONSTERAを実現したいと考え命名しました。
太い茎のようにお店の運営の中心になる。オーダリング機能で業務の生産性向上を図り、「 しゃとるん 」 連動で集客販促を実現する」ことで店舗オペレーションのプラットフォームになるということです。長く伸びる蔓のようにシステム機能やサービス機能を拡張する。我々のみならずパートナー企業との叡智を結集し店舗で必要な様々なアプリケーションを実現することで様々な機能を付加することでオーダリングを超えた商品を実現したいと思います。そして、たくさん茂る葉のように多くの異なる顧客価値を提供する。たくさんのお客様のさまざまニーズにお応えできる商品をつくりあげるということです。 今までのオーダリングシステムとは次元が違う商品に育てたいという想いでMONSTERAと名付けました。
ページの都合上MONSTERAが持つ全ての機能をご紹介できなかった。もっと詳細をお知りになりたい方は、東京ビックサイトで2月22日~25日に開催される HOTERES JAPAN の エスアイアイ・データサービスのブース(5-J01)でお聞きになっていただきたい。遠方でHOTERES JAPANにお越しになれない方は以下にお問合せしていただければ良いそうである。
エスアイアイ・データサービス株式会社
■営業一課(東日本) 043-211-1320
■営業二課(西日本) 06-6871-9457
エスアイアイ・データサービス株式会社
http://www.siidataservice.co.jp/
本社:千葉市美浜区中瀬1-8
代表者:小林良夫
設立:1998年10月(セイコーインスツル株式会社100%出資会社)
事業内容:オーダリングシステム、決済端末の開発・製造・販売、情報処理センターの開発・運営、保守サービス全般
取材協力:エスアイアイ・データサービス株式会社 企画部 企画課 外食担当課長 中西 祐之氏
小林良夫氏
1958年生まれ。1981年 第二精工舎(現セイコーインスツル)に入社。 電子機器事業部(当時)営業部でプロッタ販売を担当、その後販売企画、海外営業に携わり、1996年~2000年欧州駐在、2003年よりエントリーシステム事業部長としてオーダリングシステムビジネスに従事しExcelleo商品化や普及モデルScuteをラインアップ商品投入。
現在は、セイコーインスツル株式会社 データサービスシステム事業部長としてオーダリングシステムビジネスの他にクレジットおよび電子マネー決済システム(Crepico)ビジネス、電子棚札システムビジネス、電子辞書ビジネスを担当。
ケータイ販促最前線 携帯電話とオーダーエントリーシステムの組合せで販促を実現する~レポート:「Scute(エスキュート) × しゃとるん」
文: 齋藤栄紀