1985(昭和60)年、業界に先駆けてレストラン向けオーダリングシステムを世に出したエスアイアイ.データサービス株式会社(SDS)。その豊富な実績と経験を元につくり上げた革新的な新商品を今年のHOTERES JAPAN(国際ホテル・レストラン・ショー)でお披露目をするという。お披露目に先んじて外食ドットビズ読者のために同社代表取締役社長の小林良夫氏に話をお伺いした。
- 貴社のお客様である飲食業界の現状をどの様に見られているのかをお教え下さい。
【 小林社長 】(以下敬称略) ここ数年、私どものお客様である飲食業界を取巻く環境は、食材費や人件費の高騰やデフレスパイラルによる商品の低価格化などにより、非常に厳しい状況に置かれていると思います。しかし、そのような中、飲食店様は様々な努力をされて日々営業を行われています。
たとえば、人材不足を補うため多様化した従業員の方の即戦力化に力を注いでおられるようです。今までのアルバイトは学生など若手中心でしたが、昨今は比較的中高年の方や外国人労働者の方まで幅広くなっています。幅広い年齢やスキルに差のある方々をいかに短期間で戦力化できるかということに取り組まれていると思います。
また、消費者の多様化したニーズに応える多業態店舗の展開を進められている企業様が増えています。コストを徹底的に追求した低価格業態と 「 ハレの日に利用 」 の料理と雰囲気へこだわる業態の両端ニーズが進んでいるように理解しています。それらのニーズにこたえる、またはリスク回避としての多業態化が進んでいるのだと思います。
さらに、少子高齢化による国内マーケットの縮小による海外展開といったことがあげられると思います。中堅・大手の飲食チェーン店様がアジアを中心とした海外展開を積極的に進めているということです。
- そのような中でITサプライヤーとしての貴社の取組をお教え下さい。
【 小林 】 非常に厳しい状況下におかれている飲食業界のお客様に対して、我々がどの様に対応をしていかなければならないかを常日頃考え、それにマッチングした商品をご提供していくことが使命だと考えています。
では、お客様がわれわれに何を望まれているのか? 大きくは次の2点と考えています。1点目がコストダウンを実現するための更なる業務の効率化。2点目が売上向上を実現するための新たな集客・販促方法の確立です。
ご承知の通り当社は長年オーダリングシステムをご提供させていただいております。オーダリングシステムは動線の短縮、厨房とのスピーディーな連携や不正の防止といったオーダーテイク業務、もう少し広く申上げると店舗オペレーションの効率化を目指した商品です。オーダリングシステムでコストダウンのために業務の効率化という点では、お客様のお役にお応えできてきたと自負しております。しかし環境の変化とともに飲食店様のご要望も変化してきますので、我々は現状に甘んじているわけにはまいりません。更なる効率化のお役に立つとともに売上向上のお役に立つようにならないといけないと考えております。
そのためにはオーダリングシステムが持つ固定観念を打ち破り、従来の概念を超える商品を世に送り出そうということで、飲食店様の 『 店舗オペレーションのプラットフォームになる 』 という大きなコンセプトの元に新商品開発を進めてきました。
新商品発表の前のため、今回は概念的な話が中心となったが、本商品がお披露目されるHOTERES JAPAN開催の初日である2月22日に掲載予定の第2回では、詳報をお知らせする予定である。次号をご覧になっていただいた上で、是非ともHOTERES JAPANの展示会場でも本商品を実際に体験していただきたいと思う。
なお、エスアイアイ・データサービスのブースは東館5ホールのJ01にあり、5ホール入口正面に位置するためすぐにお分かりになるであろう。
エスアイアイ・データサービス株式会社
http://www.siidataservice.co.jp/
本社 千葉市美浜区中瀬1-8
代表者 小林良夫
設立 1998年10月(セイコーインスツル株式会社100%出資会社)
事業内容 オーダリングシステム、決済端末の開発・製造・販売、情報処理センターの開発・運営、保守サービス全般
小林良夫氏
1958年生まれ。1981年 第二精工舎(現セイコーインスツル)に入社。 電子機器事業部(当時)営業部でプロッタ販売を担当、その後販売企画、海外営業に携わり、1996年~2000年欧州駐在、2003年よりエントリーシステム事業部長としてオーダリングシステムビジネスに従事しExcelleo商品化や普及モデルScuteをラインアップ商品投入。
現在は、セイコーインスツル株式会社 データサービスシステム事業部長としてオーダリングシステムビジネスの他にクレジットおよび電子マネー決済システム(Crepico)ビジネス、電子棚札システムビジネス、電子辞書ビジネスを担当。
ケータイ販促最前線 携帯電話とオーダーエントリーシステムの組合せで販促を実現する~レポート:「Scute(エスキュート) × しゃとるん」
文: 齋藤栄紀